▽熱風SS▽姫の師と元賊の弟子


「あー…ちょっとそこ行く旅人さん。悪いこと言わねぇから、この道行くのは止めときな。何でも、質の悪い賊が出るって話だぜ?まぁ、それって俺のことなんですけどね!ヒャハッ!」




男と言うには幼い顔付き。

少年と呼ぶには見事すぎる剣捌き。


どこか危なげなバランスを取りながら、青年がまた剣を振り下ろす。


それを紙一重で避けてなお、ユパは観察を止めなかった。


「…何を考えてんだか知らねぇが、早く腰のもの、抜いた方がいいんでねぇかい?別に使えぬ訳ではないのでしょう?」


不思議そうに数回瞬きし、困惑を隠す様子もなく青年が問う。

ますます幼さが表れるその姿に、思わず笑ってしまった。


「?何かおかしなことを言ったかね?」

「、いや…」


柄に手が伸びないのは決して青年の境遇に同情したからではない。

年々世界が腐海に飲み込まれていく中、孤児も賊も増えるのは当然のことだろう。


だが。


「そなた、名は何と言う?」

「はぁ?」


ただ惜しいと、そう思った。





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青年はまた瞬きを繰り返し、そして笑う。


「あんたもイカレてんなぁ!」


(そんな師弟の出会い)

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嘘つき、ロンリー。