楽器職人見習いと同級生02


―…最近、天沢くんと仲良いよね。








「…そりゃそうだ。」


帰り間際にクラスの女子から掛けられた言葉を思い出し、つい笑ってしまった。

それに気付いた天沢が本を読む手を止め、顔を上げる。


「何か言ったか?」

「いや、いい曲だなぁって思って。」


ごまかし半分の本音半分。

ヒップホップやパンクロックしかなかった俺の部屋に、今流れているのは何を隠そうクラシックだ。

その上、散らばったマンガの中にちらほら紛れ込んだ分厚い小説の姿が。


どれもここ最近、天沢によって持ち込まれたものだったりする。


(恋は人を変えるって、あれ本当だな…)


仲良いどころか付き合ってるなんて、きっとあの女子も思いも寄らなかっただろう。

正直、俺もこんなことになるなんて思ってもみなかったけど。


とりあえず天沢の隣は思いの外居心地が良いので、気にしないことにした。


「何か気に入った曲、あったか?」

「あー…」


普段は一緒にいても本の虫な天沢が珍しく、会話を続けようとしている。

それだけで俺は嬉しくなって、思わず笑ってしまった。



「お前の声が一番好き。」



本当に恋は人を変えてしまう。





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(俺の名前を呼んでくれたなら、もっと好き。)
(そう畳みかけると天沢は顔を真っ赤にさせて、)


「……ケント…」


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アンケートより。
リクエストありがとうございました!


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嘘つき、ロンリー。