仮想の物語

IF〜空賊だったら


もっともっと高く高くと欲張った








「空賊、連合…?」


マンマユートの頭に呼び出され、夜マダムジーナの店を訪れれば、そこに並ぶはそうそうたる顔ぶれだった。


「…豚一匹に大袈裟なもんだ。」


呆れて呟けば「何だとっ!」と勢い良く立ち上がろうとする数人。

だが店内ということもあり、何とか自身を抑えたようだ。


不意にその中に一人、毛色の違う男を見付けた。


「その上、用心棒にアメリカ人を雇ったって訳か。」

「いや、彼の祖母は四分の一がイタリア人でして、」

「そんなことはどうでもいい。」


付き人なのか知らないが、小肥りの男が説明しようとするのを制した。

事情は何となく分かった。
だが興味はない。


「まぁ、せいぜい仲良くやれよ。俺は帰る。」


酒の代金をテーブルの上に置き、立ち上がる。

そして背を向けた瞬間、


「逃げるのか?『ケント』。」

「っ、あ…?」


反射的に足を止めてしまった。


「お前の親は考えもしなかっただろうな…『英雄』の名前を付けた息子が空賊になるなんてよ!」


声を潜めながらもそこかしこで上がる下品な笑い声。

安い挑発だと分かってはいたが、無視することは出来なかった。


「……いいぜ?その話、乗ってやるよ。」


連中は、俺がその『英雄』の孫だと知ったらどうするだろう。

教えてやる気などさらさらないが。


そして俺はテーブル上の代金に上乗せし、もう一杯酒を頼んだ。





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あとはイカロスのように落ちるだけ。

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嘘つき、ロンリー。