仮想の物語
IF〜空賊ED@
「それで、これからどうするんだい?」
「さぁな…」
女船長に問われ、苦笑しながら肩を竦める。
将軍以下多くの兵を亡くした軍はほぼ壊滅状態だ。
時間を掛ければ建て直しも可能だろうが、今回の一件でそれほどの情熱も薄れてしまった。
だから、もしかしたら、俺はその一言を待っていたのかもしれない。
「あんたがうちに来てくれると助かるんだけどねぇ…」
空賊。
少し前の自分なら有り得なかった選択肢だ。
でも今なら…
「そうだ。アンリの嫁なんてどうだい?」
「それだけはない。
絶対にない。」
if~空賊ルートに入ったら
「結婚したのね、ケント!おめでとう!」
「…あんた、話聞いてたか?」
目を輝かせるシータを一睨みして、だがすぐに諦めたようにケントは溜息を吐いた。
そんな二人の様子に苦笑しながら、パズーが話を元に戻す。
「じゃあ今は空賊に?」
「見習いだ。……一応。」
「「一応?」」
最後、自信なさげに付け加えられた一言を復唱し、パズーとシータは首を傾げた。
「…大抵、指示を出すのは船長か俺だからな…」
軍での経験があるとはいえ、新入りが指揮を取るのはどうなのか。
初めはケントもそう思い、遠慮していたが、他にする者がいなかったので自分がやるしかなかった。
そしてどこからも不平不満が出ることはなく、そのまま定着…
「…それって、見習いどころか次期船長候補なんじゃ」
「言うな。」
本当にそうなりそうで怖い。
そうぼやいたケントはどこか疲れた空気を漂わせている。
「今はまだドーラがいるからいいが、彼女が隠居したら?連中の面倒全て俺が見るのか?冗談じゃない。俺はあくまで補佐する側の人間だ。」
いつになく饒舌なのは、それだけ鬱憤が溜まっている証拠だろう。
詳しい空賊生活を聞いた訳ではないが、その様子から何となく全てを察することが出来た。
「苦労してるのね、ケント…いっそパズーのお嫁さんに来たら?」
「シ、シータ…っ!」
「…あんたはどうしてもそっちに話を持って行きたいらしいな…」
にこにこと、さも名案のように提案したシータは、パズーが慌てようがケントの目が据わろうが気付かない。
というか気にしない。
パズーとケントは顔を見合わせ、ほぼ同時に溜息を吐いた。
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「…パズー。俺、もう帰るから。」
「え?あ、うん。気を付けて。」
「もう帰っちゃうの?また来てね。」
(……来たくないな…)
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嘘つき、ロンリー。