外伝奇集
その後のその後
これから必要とするもの。
まずは衣食住と、それから―…
何やら言い争いを始めたアシタカとゴンザを横目に、その場を辞することにした。
最後まで何やら愉しげに目を細めていたエボシについては、この際見て見ぬ振りをする。
「ケント、あんた一人かい?アシタカ様は?」
だから外に出て、間髪入れずにそう声を掛けてきたおトキに思わず舌打ちがこぼれた。
「…あれならまだ中にいるぞ。」
素っ気なく返してそのまま横を通り過ぎれば、今度は牛飼いの男に呼び止められた。
そして繰り返される同じ問いにうんざりする。
「どいつもこいつも、人の顔を見ればアシタカ、アシタカと…さも一緒にいるのが当然のように言いやがって。」
「仕方ないだろ。夫婦になるってのはそういうもんなんだからさ。」
「おい、誰が夫婦だ。」
ある程度の戯れ言は笑って聞き流すが、流石に今のはいただけない。
そう少しきつめの口調で返せば、きょとんと呆けた顔のおトキと目が合った。
てっきりエボシ同様ただ揶揄しているだけかと思えば、まさかこの女、本気で?
傍らの牛飼いも見やれば、似たような表情だった。
冗談ではない。
「惚れ合った二人が一つ屋根の下で暮らしてんだ。それはもう夫婦も同じだろう?」
「色々突っ込みたいところがあるが、とりあえず惚れ合ってはおらん。」
「いや、そんな照れなくても」
「照れてもおらん。」
やらなければならないことが多過ぎて、ついつい住居を後回しにしていたのがまずかったらしい。
一先ず寝床さえ確保すれば、と仮住まいに用意したのは、数人が雑魚寝出来る程度の掘っ立て小屋を幾つか。
細かな人数調整をする手間も惜しく、後は各自好きに利用してくれと丸投げした結果、あぶれたのが俺とアシタカだった。
『…何だか、改めてこうして二人っきりになると少し照れてしまうな。』
「……まさか、端から仕組まれて…?」
「あ、いたいた!おーい、ジコ坊!」
また別の牛飼いがやって来て、やはりまた当たり前のようにアシタカの所在を問う。
頭が痛くなってきた。
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打算に妥協に惰性が大事です。
(もしくは三つの袋。)
(それは誰が必要とするもの?)
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拍手&リクエストより。
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嘘つき、ロンリー。