外伝奇集
幸せ家族計画?
(珍しいな…)
一人ぼんやりと佇むケントの姿を目に留め、一体何を見ているのかとエボシは何となくその視線を辿ってみた。
すると、その先にいたのはお喋りに夢中の娘達。
「何だ?遅い春でも来たのか?アシタカはどうする?」
そう揶揄しながら隣に並べば、ケントはそちらを見ることなく、ただ舌打ちだけで返す。
その分かりやすい有り様にエボシはますます笑ってしまった。
「また見慣れぬ娘が一人、増えたようだが?」
言われてみれば、確かに件の娘も輪の中に加わっているようだ。
指摘されぬ限りは恐らく、誰もあれが新参者だと気付きはしまい。
「馴染んでいるようで何よりじゃないか。何か問題でも?」
「お優しいのは結構なことだがな、拙僧に一言相談があっても良かったのでは?」
「案ずるな。どんなに美しい娘が来ようと、アシタカはお前一筋だよ。」
「誰がそんな心配をするか。」
「ふふっ、相変わらず仲睦まじいようだな。」
「……………」
さらに言い募ろうとしたケントだったが、何か思い直したのか、大仰に溜め息を吐き出すだけに止める。
いや、もしかしたら深い深い深呼吸で自身を落ち着かせたのかもしれない。
どちらにせよ、ケントはエボシに口では勝てぬと諦めたようだ。
そのことを知ってか知らずか、エボシは「ふむ」と少し考えを巡らせる。
「だが、そうだな…次からはちゃんと相談しようか。」
「あぁ、ぜひそうしてくれ。」
「お前達にも都合があるだろうからな。」
「…何の話だ?」
投げやりに相槌を打っていたものの、今の言葉に引っ掛かりを覚えてようやくエボシの方を向いたケント。
そして笑うエボシを一目見て、嫌な予感がした。
「アシタカは息子でも娘でもよいと言っていたが、お前はどうだ?」
その意味を察して、一瞬顔が引き攣る。
だが、すぐにまた深い深い溜め息を吐き出して、
「生憎、当分はあれの相手だけで手一杯だ。」
ただただ苦笑するのだった。
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(理想は一姫二太郎?)
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嘘つき、ロンリー。