あかイおに

かろやかに


赤き髪。

赤き肌。


ふと金の眼と視線交わり、


鬼は、わらった。








「いいっすか?何でもかんでも頭を叩けばいいってもんじゃないんすよ。蟻だって寄って集りゃあ象すら倒せる。なら雑魚から片付けた方が効率的に、」

「ぞうとは何だ?」

「そこは今引っ掛かるところじゃないっす。」


旅の道中に訪れた、西のタタラ場。

そこで妙な成り行きで出会った山犬の姫と、ケントは妙に気が合ってしまったようだ。


そのためタタラ場を出た私達は現在、山犬の姫サンの案内でシシ神の森に来ていた。


「ケント…いいから少し休め。」

「何言ってんすか、アシタカ様!今はアシタカ様を傷付けようとしたタタラ場連中に鉄槌を与える方が先っすよ!」


確かに石火矢は私を狙っていた。

だが実際当たったのはそなただろう?


すると「アシタカ様に銃口向けただけで万死に値するっす…!」と力説するケント。これではあのタタラ場がタタリ神の原因かもしれないとは言いにくい…

いや、それよりも私としてはその脇腹からだくだくと血が流れ出ているのが心配だ。


「…なぁ、山犬の姫。」

「何だ、人間。」

「シシ神は、まだ来ないのか?」

「?ケントはタタリ神の呪いすら通じぬ身体なんだろう?なら別に大丈夫なんじゃないか?」


そういう問題ではない。

そう言い聞かせたところで、サンは不思議そうに首を傾げるだけ。


そしてケントに呼ばれ、向こうの話へ戻ってしまう。


そんな二人が親しげに話すのを複雑な気持ちで見守りながら、私は一人、シシ神が訪れるのを待つのだった。





軽やかに


『アシタカや、所詮鬼は鬼の子だぞ。』

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嘘つき、ロンリー。