あかイおに

おだやかに


見たことない場所。

見たことない人々。


鬼だ何だと怒号飛び交う中、


青い衣の少年と、目が合った。








「シシ神だか獅子踊りだか知んねぇすけど、まぁ良かったじゃないっすか。」


当初の目的通り、大本は潰せたんすから。

そう言ってみたところで、我が主であるアシタカ様はこの場を動こうとはしない。


その間にも得体の知れないゲル状のものが、ゆっくりと周囲のものを飲み込んでいく。


「大体これ、あの女主人が首をぶっ飛ばしたのが原因でしょ?自業自得すよ。これ以上、アシタカ様が首を突っ込む必要はないっす。」

「そうも、いかぬだろう…」


タタラ場の連中が一体、何をしてくれた?

まぁ、確かに色々とやってはくれたが。


援護を求めて傍らのサンを見遣れば、アシタカ様の影響か、こちらも少し躊躇っている様子。


誰もかれも、何をそんなに気に病んでいるんすか?


何でもいいから早くここを離れて、



「行くぞ、ケント。」


…あぁ、そうでした。

そんなあなただからこそ、俺は今もこうして生きているんすよね。


「…さすがアシタカ様。」


でも俺はあくまでアシタカ様第一に動きますんで、そこんとこよろしくっす。





穏やかに


『そなた…怪我をしているのか?』

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嘘つき、ロンリー。