仮想の物語

飛行少年と紙飛行機


背筋を伸ばせ








「―…あぁっ!」


ヨロヨロと下降し始めたそれに、思わず声を上げた。

隣でケントが笑いを噛み殺していたが、気にしちゃいられない。


(もう少し…)

(あと、少し……あ。)


だがそんな願いも届かず、その紙飛行機はとうとう地面に落ちてしまった。


ガックリと項垂れる僕を横目に、それを拾い上げたケントがにやりと笑う。


「俺に勝とうなんて百年早いぜ。」

「…それ、悪役の台詞じゃない?」

「この方がお前も張り合いがあるだろ。」


ほら、と渡されたそれを受け取ると、ケントはケントで自分の紙飛行機を取り出していた。

その二つを見比べて、思わず溜息を吐く。


「同じ折り方なのになぁ…」


なのにケントの記録には今一歩届かない。

そんな僕の様子を見兼ねたのか、ケントは苦笑しながら紙飛行機を持ち構える。


「飛ばし方にもコツがあるんだ。見てろよ。」


腕に力を入れすぎず、柔らかく。

そう解説を交えながら手本を見せようとするケントは、まるでダーツでもするかのように様になっていた。


(かっこいいんだよなぁ…)

「まぁ、俺も受け売りなんだけどな、っと。」


もったいない、と言ったのは誰だったっけ。

多分、誰が言ったとしてもケントは気にしないだろうけど。


ケントの手から離れた紙飛行機はぶれることなく、真っ直ぐに飛んでいく。


「ほらな。よく飛ぶだろ?」


そして、それはあっという間に僕の記録を抜き去った。






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そうすればきっと
何もかも上手くいく


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アンケートより。
リクエストありがとうございました!


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嘘つき、ロンリー。