これからの話

雨宿りの話


髪を触る。

頬を撫でる。

顔を近付ける。

腰を抱き寄せる。



『…ここにいたのか、ケント。』


いつもそこまで見るのが限界で、それより先は何をするのか考えたくもなかった。

そして走り去る後ろ姿を見送って、ケントはいつも困ったように笑うのだ。


『あんまり乙女に恥をかかせるなよ。』








「この分だと、もう少し待てば止むかもしれないな。」

「…そうだな。」


突然の雨に見舞われ、雨宿りのため駆け込んだ木の下。

枝葉の間から空を仰ぎ見るケントの横顔を、気付かれぬようにそっと盗み見た。


こうして隣に並ぶなど、いつ以来のことだろうか。

そう思い巡らせる合間に蘇るのはケントと村の娘達の逢瀬。

何度となく目にした光景に、好いているのは自分だけかと思うこともあった。


(だが…)


「ケント。」

「ん?」


いつかと同じように、名を呼べばすぐ振り向くケントに思わず笑みを浮かべる。

そしてその前髪から滴る雫が目に入りそうになって、それを掬い取ろうと手を伸ばせば


「んっ…







ちょ、ハロク!止めろって、くすぐったい!」


突然間に割り込んできたアカシシに先を越されてしまった。


「………」


伸ばしかけた手を静かに下ろすと、慰めるようにヤックルが私の頬を舐めるのだった。





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(恋人達の、その先は?)
(未だ知ること叶わず)


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アンケートより。
リクエストありがとうございました!


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嘘つき、ロンリー。