これからの話
雨上がりの話
目を覚ますと、夜通し降り続いていた雨が止んでいた。
空気はひんやりと冴え、吐く息はうっすらと白い。
「…この分だと、水はまた一段と冷たいんだろうなぁ。」
まぁ、眠気覚ましにはぴったりだろうけど。
顔を洗いに川へと向かう途中、隣に並んだケントがそう独り言のように呟いて苦笑をもらすのを聞き、つられて笑ってしまった。
「相変わらず、寒いのが苦手のようだな。」
「仕方ないだろう。体質はそう簡単には変わらんさ。」
先程から頻りに自分の手に息を吹き掛け続けるケントだが、一向にその効果が現れる様子はない。
見るに見兼ねて手を伸ばせば、ケントは一瞬目を見開いた。
「……温かい。」
「そなたの手が冷たすぎるのだ。」
「でも、だからこそお前の温もりがよく分かる。」
じゃれるように絡め合った指先に、どちらともなく力が篭る。
「むしろ、少し熱すぎるくらいかもな」と笑うケントの吐息はやはり白く染まっていた。
「…ならばそれは、こうしてそなたと熱を分け合うためなのだろう。」
そして誘われるようにその口元へ顔を寄せれば、ケントの唇もまた少し冷たかった。
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高熱発生中。
(ただし若い二人にはまだまだ温いようですね)
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嘘つき、ロンリー。