大泥棒 対 名探偵

狙撃手


「それで、犯人は判ったのか?」

「判ったから今、あそこにいるんだろうよ。」


そう次元が顎で指し示した先を見て、「まぁ、確かに」とケントが応える。


王宮敷地内の一画。

次元の言う通り、東屋には今、一連の事件に関わる主要人物が集まっていた。


その中の一人は例によって例のごとく、我らが大泥棒の変装な訳だが。


「推理ショーなんて、小説かマンガの中の話だと思ってた。」


ケントがぼそりと漏らした感想に次元が笑う。


「しかしお前、本当ポイントを押さえるのが上手いじゃねぇか。」

「…押さえるも何も、俺がこの場所を教えたからな。」


まさかそれが採用されるとは思いもしなかったが。

半ば呆れるケントの背後では、かつて教え子だった者達がすでに叩きのめされ、五右ェ門の下で地に伏せていた。


スコープの中で、こちらに背を向けた男の手が動く。


「お、どうやら今だったみたいだな。」

「これで終わりか、つまらん。」

「まぁ、俺達の相手にしちゃ、ショボかったな。」


言いたい放題の二人の声をBGMにしながら、ケントはスコープから目を離さない。


そしてしばらくすると、その手に『それ』を認めた。


「…爆弾のスイッチらしきものを確認。」


その言葉に次元がケントの隣に並ぶ。



「狙えるか?」

「勿論。」





----------------
(狙撃手ですから。)

*前次#

戻る

嘘つき、ロンリー。