天空の城を目指す物語
第八話
飛び出した少女の身体を抱き留め、誰よりも先に銃を抜く。
「っ、パズーっ!」
「落ち着け、シータ嬢…!」
きっと助けてみせるから。
そう続けかけた言葉を、飲み込んだ。
困惑した同僚らを壁の向こうに残して、しばらく経つ。
進めば進むほど壁を覆う蔦の量は増し、大佐の苛立ちもまた増していった。
ずかずかと粗雑に先を行くその姿は珍しく、きっと後ろに続く自分らの声など届きはしないだろう。
「…痛く、ないか?大丈夫か?」
拘束したシータ嬢の腕を心持ち緩め、小さく声を掛けてみたものの、返事はない。
やはり俺が、パズーに銃口を向けたことが余程堪えたらしかった。
(…ああするしか、仕方なかったんだ…)
俺が撃てば、同僚らは撃たずに済む。
俺が撃てば、パズーに当てぬよう狙いを外せる。
そう必死に弁解するも音にしなければ意味がなく、俺には音にする勇気もなかった。
「!ケントっ!こっちだ!」
ようやく目的地を発見したらしい大佐が満面の笑みで振り向く。
俺は溜息を一つ吐き、シータ嬢に先を促した。
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必ず助けてみせるから。
どうか、許して。
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嘘つき、ロンリー。