天空の城を目指す物語
第九話
ごみのように散っていく命。
それがかつての仲間と知りながら、何の感慨も浮かばない自分に自嘲する。
ただ、隣で辛そうに顔を歪める彼女の、その横顔のなんと美しいことか。
「っ、走れっ!」
一瞬何が起きたのか分からなかった。
気付けばケントの手は私から外れていて、そして次の瞬間にはあの人に体当たりしていた。
「え…」
「もたもたすんなっ急げっ!」
不意に取り出された拳銃を見て、反射的に身体が強張った。
だけどケントはそれに構わず、私の手を取り、走り出す。
そして途中、無理矢理何かを握り込まされた。
「っ、これ…っ」
「…アンタが持っているのが一番いいだろ。」
ほんのりと熱を孕んだ飛行石。
全ての、事の始まり。
「いらないのなら捨てればいい。とにかく今は大佐から逃げるぞ。」
「っ、うん…っ」
いい返事だ。
そう言って小さく笑ったケントに一瞬、ドキッとした。
(こんな風に笑うところなんて、初めて見た…)
「よし。後はパズーを探して…っ」
「!ケントっ!?」
そして、パンッと乾いた音の後、ケントの身体がぐらりと揺れた。
---------------
本当はとても優しい人。
知っていたのに、私は忘れていたようだ。
*前次#
戻る
嘘つき、ロンリー。