天空の城を目指す物語
おわりのおわり
終わってしまえば、まるで全てが夢のよう。
「ケントっ!」
背中にドンッと衝撃を受け、そしてそのまま腰に腕が絡み付く。
一瞬何かを思い出しかけて苦笑した。
「…また攫われるのかと思った。」
「俺としてはこのまま攫っていきたいんだけどね。」
肩口に見えた横顔を確認し、さっと周囲に注意を向ける。
誰もいない。
「……ケント、また痩せた?仕事忙しい?」
ぎゅうぎゅうと容赦なく締め付ける腕に数回タップし、「苦しい」と主張してみた。
だが、弛む様子はない。
「お前らの方はどうだ?ドーラは元気か?」
「あぁ!そりゃあ勿論!もうしばらくは現役で頑張るってさ!」
不意に彼女と最後に言葉を交わした日のことを思い出した。
『…もう行くのかい。』
『あぁ。』
俺が軍に戻ると言えば特に反対もせず送り出してくれたが、その表情は分かりやすいほど複雑そうで。
『あんたがうちに来てくれると助かるんだけどねぇ…』
女一人で野郎共をまとめあげるには年齢的にもキツイのかもしれない。
だが、きっと息子の誰かがしっかりした嫁さんを貰わない限り、彼女に引退の言葉などないだろう。
『そうだ。アンリの嫁なんてどうだい?』
『…………』
余計なことまで思い出してしまった。
舌打ちして、回想ごと振り払う。
「…シータ達は?まだ連絡取り合ってんのか?」
「二人とも元気だよ。って、たまにはケントも顔見せてやれば?」
シータもパズーも、ケントのことを本当の兄貴みたいに思ってんだぜ?
そう続けられた言葉に、世辞が言えるようになったかと笑えば首筋にグリグリと頭を押し付けられる。
不満を表してるらしいがくすぐったいだけだ。
「まぁ、その内な。」
近頃は天気もいいし、軍内も随分安定してきている。
ここらで遠出してみるのも悪くはないな、とそう思えた。
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見上げれば綺麗に晴れ渡った青空。
そして真っ白い大きな雲が浮かんでいた。
End.
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嘘つき、ロンリー。