紅い飛行艇乗りの物語
第一話
友の活躍に祝杯を。
「流石の元エースも、15人のガキ相手じゃあ形無しだな。」
少し痩せたんじゃないか?『ポルコ・ロッソ』。
そうニヤニヤと口元に浮かべた笑みを全く隠す様子のないジュニアに、ポルコは「ほっとけ」と吐き捨てた。
「お前も今に人のこと笑えなくなるぜ。」
「はっ、残念だったな?俺には優秀な部下が」
「隊長!少女らの収容、完了しました!」
ジュニアの言葉を遮って、駆け寄ってきた部下の一人が敬礼と共にそう報告する。
だがジュニアは特に気を悪くすることなく、むしろ満足げに頷いた。
「おう。じゃあ帰るか。」
「はいっ!」
再び仲間達の元へ戻っていく部下の背中を見送り、ポルコへと向き直る。
「ご苦労さん。金の引き渡しはいつも通りだ。」
「しかし現エース直々にお出迎えとは、空軍連中も暇なこった。」
「まぁ、それだけ平和ってことだろ。」
わーきゃー騒ぐ子ども達の声に混じり、部下達の悲鳴が聞こえてくる。
それを耳にしたポルコは豪快に笑い、ジュニアは肩を竦めた。
「確かにありゃあ骨が折れそうだ。これで帰ったら即行演習を始めると言ったら刺されるか?」
「殺されるぞ、お前。」
「ははっ、かもな。」
笑いながらジュニアはポルコの肩を叩き、その手を置いたまま、ぐっと顔を近付ける。
突然のことにポルコは驚くものの、肩を掴まれ、後ずさることも出来ない。
「気を付けろ、マルコ。」
最近、上が妙な動きをしている。
ぼそぼそと囁かれる声に折れ曲がった豚の耳が小さく反応した。
遠くでまた誰かがジュニアを呼ぶ。
「じゃあこれからもよろしく頼むよ、賞金稼ぎさん?」
最後にもう一度その肩を叩いて、ジュニアはポルコに背を向けた。
「…お節介な野郎だぜ…」
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そしてその前途に祝福を。
その後。
「子守に演習…で、この有様か。」
「ったく、だらしねぇよなぁ。あれくらいで力尽きるなんてよ。」
「……お前は元気そうだな。」
「んだよ、その目は。別にあいつらに全部押し付けた訳じゃねぇぞ?俺は鍛え方が違うんだ。それにガキは嫌いじゃねぇしな。」
「!子ども、好きなのか?」
「意外か?お前は…苦手そうだなぁ。」
「いや…お前が好きなら俺は別に構わない。」
「は?」
「俺としては精々男と女、一人ずつかと思っていたが…お前がそんな子ども好きなら何人でも」
「なぁ、一体何の話だ?」
A.将来の話です。
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嘘つき、ロンリー。