神々の集う湯屋の物語

第三話


口利き屋







「…虫の居所が悪そうだな。」

「あァ?」


そうかい?と吐き捨てるように振り返ったケントは見るからに機嫌が悪かった。

だが釜爺は大して気にも留めず、薬草をすり潰し続ける。


「湯婆婆に何か言われでもしたか?」

「…思い出させてくれるなよ、じいさん…」


舌打ち。

それこそ正に苦虫を潰したような表情だった。


「…ここに人間が来たろ。それが気に食わねぇらしいんだわ。」


結界が阻むのは油屋に害なす“もの”、人間が来るなど想定していなかったため自分には一切感知出来なかった。


そんなケントの弁明を湯婆婆は吟味することなく、ここぞとばかりに責め立てたらしい。


小言だけならばいつものことだったが、


「しばらく油屋から出るなってよォ…一歩でも出りゃあ二度と敷居を跨がせねぇって、ちとひでぇと思わねぇかァ?」


また舌打ち。

それを横目に釜爺は鐘を鳴らし、休憩中のススワタリ達を呼び寄せる。


「ちびども、作業再開だ。」


触らぬ神に何とやら。

八つ当たりされては敵わんと、そこで話は切り上げられた。




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愚痴聞き屋

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嘘つき、ロンリー。