神々の集う湯屋の物語

またのお越しを


心よりお待ち申し上げます







「まったく、騒がしいねぇ…一体何をやってんだい。」

「さぁなァ…」


予想通りの呆れたような視線を受け、肩を竦めて笑ってみせた。


「それで?今度はどこ行くつもりだい?」

「別に決めちゃいねぇよ。風の吹くまま、気の向くままってな。」


「おい」「おい」と頭達が周囲を取り囲むように回り始め、湯婆婆は鬱陶しげに目を細めた。

そして手を振れば、頭達は大人しく奥の部屋へと引っ込んでいく。


「まァ、久々の外だ。精々楽しませてもらうからな。」

「ふんっ…ちゃんと戻って来るんだろうね?」

「勿論。」


突然、扉が開いた。

つられるように湯婆婆の視線はそちらへと流れ、また目を細める。


「何してんだい、ハク。」

「っ、えっ…はっ…?」


息を整える間もなく、頭上にはてなを飛ばすハク。

笑いを噛み殺して湯婆婆に背を向ければ、「ケント?」と追い掛けてくる声。


「ちっと長くなるだろうが、ちゃあんと『ここ』に帰ってくらァ。」


ひらひらと手を振りながら扉へと足を進める。

その途中、未だ状況を把握しきれていないハクの肩に腕を回した。


「っ、ケントっ?」

「ついでにこの堅物、借りてくからな。」


了承も得ず、部屋を出る。


「…土産、忘れんじゃないよ。」


そんな小さく吐き捨てられた言葉は扉の閉まる音と重なりながらも、ケントの耳にしっかりと届いていた。




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嘘つき、ロンリー。