本と楽器のハーモニー

水曜日


「くぁ…っ」


やっべ、難しすぎて眠くなってきた。


さっきから阿呆のように欠伸を連発する俺の前には、最大の敵、数学のプリントが。

残す宿題は後これだけなんだが、苦手苦手と後回しにした結果、一向に手が進まないでいる。

また欠伸。

ついでに力尽きて、机の上に伏せてしまった。


どこからも非難の目が向けられないのは、天沢がトイレに行ってるからだ。

居たらきっと、また「みっともない」とか言われる。


(これ、絶対今日中に終わんねぇんだけど…明日行く前に査定するとか言ってたけど冗談だよな?な?)


誰とはなしに聞いてみる。

これで返事があっても怖いが、気休めでも否定の言葉が欲しかった。


「あー…わっかんねー…」

「?どうし、た……」


天沢の声がして顔を上げれば目が合う。

デジャヴュだ。


「おー、天沢。お帰りー。」


気にせず上半身を起こして迎える体勢を取ると、天沢はしばらく難しい顔をした後、何故か俺の隣に腰を下ろした。


「?天沢?」

「…分からないところがあるんだろ。教えてやるよ。」

「え…まじで?」


どういう心境の変化か知らないが折角の申し出だ、ありがたく享受しよう。

目尻に溜まった涙を拭い、「ここなんだけど」と天沢にプリントと共に身体を寄せる。


その瞬間、天沢の身体が強張ったが気付かなかったことにした。


天沢にとっても、フレンドリーさを学ぶチャンスになるだろう。多分。




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べそをかくのは 水曜日の子ども

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嘘つき、ロンリー。