イチャコラ祭

成代主


※ぽんぽこパロ。








おトキに投げ飛ばされ、情けない悲鳴を上げる甲六。


と、いつもならここで囃し立てる声の一つもありそうなものだが、生憎今は誰も彼も自分のことで手一杯のようだ。

似たような光景が、そこかしこで繰り広げられている。


「…いやはや。戦を前にしているとは思えん緊張感のなさだな。」


いくら春とはいえ、頭の痛い話だ。

ここは女達の抑制力を褒めるべきか、懲りぬ男共に感心すべきか。


そう溜息を吐いたところで、己の膝に乗せられた手に気付き、軽く扇を打ち下ろした。


「言った側から何をしておる、アシタカ。」

「ケント殿…」

「エボシ御前が『子を増やすな』と言うたのは、決して『男相手に盛れ』という意味ではないぞ。」


だがアシタカの手は引かず、もう一度戒めようとすれば今度は反対の手まで頬に伸びてきた。

互いに獅子神の森、たたらの森の代表として今後の計画を練るつもりが、これでは一向に話が進まない。


「アシタカ…」 

「誰でもいい訳ではない。そなただからこそ、」


とろんと蕩けるように熱の籠もった眼。

アシタカでこれなら、他の連中がああなるのも無理はない。


げに恐ろしきは『恋の季節』かと、思わずまた溜息を吐いた。


「…今しばし待て。」

「ケント殿。」

「この戦いが終わるまでの辛抱だ。」


なおも言い募ろうとするアシタカ。

だがその口が再び開く前に顔を寄せ、その唇を己のそれで制した。


上手く不意を突くことが出来たようで、アシタカは目を見開くだけで後は大人しくされるがままとなる。


そして、


「……我慢しているのはそなただけではないぞ。」


離れ間際にぼそりと、そう漏らしたのが間違いだった。


「ケント殿…」

「んっ…ちょ、おい!待て、アシタ…っ!」






好きだから食べてしまいました

(ダメだと言われると、余計にやりたくなるのが動物の性?)

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嘘つき、ロンリー。