馬蹴祭

楽器職人見習いと同級生


何とかイベント発生を狙う女子の話。








―…天沢くん、どこか外国に行っちゃうって本当?








「本当、本当。」

「…ちょっと。何でケントが答えるの?」

「いや、だってほら。なんか天沢、忙しそうだし。」

「…………」


確かにケントの言う通り、天沢くんの方を見ると、何やら難しそうな表情で考え込んでいるようだった。

その横顔はやっぱりカッコ良くて、俄然やる気が湧いてくる。


天沢くんの隣を狙っている女子は多いが、ガードが固いのか、誰も彼女どころか友達にすらなれていない現状。

と、そこに突如差し込んだ一筋の光は『お別れ会』という大義名分だった。


(お近づきになれる最後のチャンス…!)


ということで一時休戦、一致団結の流れで、まずは戦いの場を整えるために皆を代表して天沢くんに次の休みの予定を聞こうとしたら先客の姿が。


ケントの方の用件も、男子数人で「送別会をしよう」という話になっているらしい。

グッドタイミングだ、便乗させてもらおう。


「あ、じゃあ一緒にやらない?」


ニコニコとそう提案すれば、「でも、なぁ?」とケントの視線が天沢くんの方へと向けられる。


「あー…悪い。天沢ってそういうの、あんま好きじゃないよな。ごめん。」

「…いや……」

「じゃあ今の話、なかったってことで。」

「え?」

「ちょっ…何勝手に」

「それか天沢抜きでひっそりやるから。」

「主役抜きでやってどうするわけ!?」

「ぶっちゃけ騒ぐ口実になれば何でもいんじゃね?って陣内が。」

「あぁ、あいつなら言いそう…ってダメでしょ、それ!そんなの送別会じゃ」

「あ、あのさ!」

「何よっ!?」


次第に怪しくなっていく雲行きに一人慌てていると、横から口を挟まれ、思わず怒鳴り返してしまった。

相手が天沢くんだと気付いてさらに慌てたけれど、天沢くんは特に気にする様子もなく言葉を続ける。


「その、…送別会、の後でいいんだけど…」

「うん?」


ってことは送別会自体はオッケーてことか。

なんて呑気に笑うケントは目が腐っているんじゃないだろうか。


真っ直ぐにケントを見つめる天沢くんの横顔はどこからどう見ても真剣で、緊張していて、まるで、



「大事な、話があるんだ。」





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(ア○ハルかよ…)

(てか、あれ?天沢くん、あたしのこと、ナチュラルに見えてなくない…?)


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リクエストありがとうございました!

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嘘つき、ロンリー。