▽悪男SS▽遊佐と一般人
「何だ、生きてんじゃねぇか。」
馴染みのヤブ医者の下に顔を出すと先客が居た。
やたら目付きの悪い男。
初対面だというのに何故か生存確認を受けた。
「先生は…?」
「センセイ?あぁ、ドクならマブシ診てる。」
「…………」
よく分からないが男の他にも患者がいるらしい。
出直すかと思ったところで、いつの間にか男が俺と扉の間に回っていることに気付いた。
「何かお前、小さくなったな…?ドクが言ってたビョーキってやつか?」
ジロジロと無遠慮に向けられる視線。
薄々誰かと間違われていると分かっていたが、男の口振りに心当たりがあった。
俺によく似ていて、医者の知り合いで、病気の男。
そして次の瞬間、相手が口にした名前で確信する。
「確か、玄兎っていったよな?お前。」
数年前に死んだ、俺の父親だ。
あまり会ったことはないが、どんな職業だったかは知っている。
その知り合いだというのなら、この男も見た目通りろくな人種ではないだろう。
さっさと人違いを打ち明けて帰ろう。
そう思い、口を開き掛けた鼻先に突然、何か突き付けられた。
拳銃、だった。
「、は…?」
「前に言ったろ?『お前がゴクドーなら殺す』って。」
違う、と否定するより先にカチッと引き金を引く音が聞こえた。
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(そして目が覚めると、焦った様子のヤブ医者がこちらを覗き込んでいて、)
(その後ろには「弾を入れ忘れた」とぼやく、先程の男がいた)
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嘘つき、ロンリー。