銀次郎とツレ02(+勝将)


「という訳でカッショーくん、あっそびーましょー。」


何が「という訳で」なのかツッコミが入るより先に、その場は一瞬にして殺気立った。


それもそのはず。

ここ『ちゅーりっぷ』は廣島連合の主要メンバーが営む店、集う顔触れも当然その仲間だ。

対して、たった今来店した男はその背中に一匹のビーストを背負って…



「…何じゃあ玄兎、お前かい。」

「ちっ…脅かしよって……」



殺気立つのも一瞬なら、霧散するのも一瞬。

歓迎とまではいかないが、そこそこ受け入れムードの漂う光景に違和感を覚える者は何故かいない。


玄兎と呼ばれた男もビーストを背負ったまま、しれっと連合の面々と並んでカウンターの席に座る。


「あれ?カッショーくんは?」

「便所じゃ。」

「というかお前、何ちゅう紛らわしいカッコしよるんじゃ。」

「ん?あぁ、これ?」

「一瞬、卑威巣斗じゃあ思うたじゃあないか。」


紛らわしいも何も玄兎が羽織っているのは正真正銘、卑威巣斗のジャケット。

それもそんじょそこらの代物じゃあないど、と玄兎は渾身のドヤ顔で笑う。


「十代目卑威巣斗総長!虎鮫銀次郎の特攻服じゃ!」


通りで外が騒がしいと思えば、あれは玄兎を探す獣の集団らしい。

これはまた一騒動ありそうだと連合の面々は顔を見合わせ、そして玄兎に倣うように笑った。


と、そこへちょうど勝将がトイレから出てくる。


「ブサイクがどうしたんならぁ?」

「カッショーくん!これじゃ、これ!銀次郎があんまりヒドイこと言うもんじゃけぇ、ギッてきてやったんじゃい!」

「んおぉ!さすがマイフレンド!ようやったわい!」

「という訳でカッショーくん、これ使ぉて銀次郎であっそびーましょー!」


色々と言葉を付け足して、再び誘い文句を繰り返す玄兎。

勿論、我らが廣島連合総長はキラキラと顔を輝かせ、二つ返事でそれに応じたのだった。









暴君の友達

「敵ながら虎鮫にゃあ同情するわい。」

「あんなぁそろそろはァ、血管ぶち切れてくたばるんじゃあないか?」


勿論、それを止める者もいなかった。

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嘘つき、ロンリー。