マイキーとヨメ(仮)03


※原作軸過去。
※マイキー→→→→→←←男主。








マイキーと「ヨメ」の関係は誰がどう見ても分かりやすいほど、マイキーの一方通行だった。

そもそものきっかけはマイキーの一目惚れで、相手にはその気もないまま、了承さえ得ることなく始めてしまったのだから無理もない話。


ただ最近どういう心境の変化があったのか、マイキーに対してあれほど素っ気ない態度を取り続けていた「ヨメ」が少しずつそれを軟化させ始め―…



「まいきーくん。」



とはいえ、あくまでも少しずつ、である。

ましてや甘ったるくマイキーを呼びながら、その腕に自身の両腕を絡めてべったりと凭れかかるほど、軟らかくなってはいなかったはず。


「…………何これ。」

「何って、テメェの大好きなヨメだろうが?」

「いや、そうだけど。いや、そうじゃなくて。」

「ふふっ…だいすき、だって。」

「うん、ごめん。玄兎はちょっと黙ってて?」

「もしかして、てれてる?かわいいなぁ、まいきーくんは。」

「…………」

「いつもはかっこいいのに、かわいいなんて、ずるい。」

「……ケンチン、助けて。」


愉しげに笑う玄兎も珍しいが、それに対してあの「無敵のマイキー」が真顔でテンパっているのもまた珍しい。

見事いつもと立場が逆転してしまっている二人の様子に、ドラケンは噴き出しそうになるのを何とか堪えていた。


「誰だか知んねーけど、『ジュース』を持ってきたやつに感謝しろよ。」


残念ながらその礼を言う相手はもうここにいないが。

それどころか総長副総長玄兎の三人を残して、東卍のメンツは誰一人としていない。


なんせ、元よりクールビューティーの玄兎だ。

ほんのり頬を上気させ、とろりと蕩けるような笑みを浮かべたその破壊力は想像以上に凄まじく、すぐさま危険を察知したドラケンの指示により各隊長格が誘導、全員早々に避難していた。


ドラケンがこの場に残ったのは何も知らない玄兎が『ジュース』を口にするのを見逃してしまった責任を取るため、それと未だ理性と本能の間で揺れ動いているマイキーが総長としてあるまじき行動を起こさないように見張るためだった。


そして、ついにその瞬間がやって来てしまう。


「まいきーくん、こっちむいてよ?」


「どらけんくんばかり、かまわないで?」


「おれのこと、だいすきなんだろ?」


マイキーの耳元に唇を寄せ、ぼそりぼそりと内緒話をするように。




「おれも、すき。」




「…あのさ、ケンチン。」

「別にオレは止めねーぞ?」

「え」


東卍の良心の、まさかの言葉に一瞬マイキーが目を見開いた、のも束の間のこと。


「まぁ、後で酔いが醒めた時に嫌われても知んねーけどなぁ?」

「…………」


そう言って笑うドラケンに、マイキーはしばらく黙り込んだ後、目頭を押えながら天を仰いだのだった。




生殺し宣告

(まいきーくん?ないてる?じゃあおれがなぐさめてあげる、)
(そう言って目を細めた玄兎はマイキーの顔を引き寄せ、その頬に)(ちゅっ、とどめを刺した)


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こっそり悪男祭より。
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嘘つき、ロンリー。