Bow-WoW!

#09


『バスタード』の前まで来てみると、先に駆けつけたらしい犬がすでに応戦中だった。

獲物を横取りされたような気がして舌打ちする。


(?動きが悪いな…)


薄暗い店内それも窓越しに見ているため、中の様子はよく分からない。

が、犬の方が苦戦しているのだけは何となく分かった。


恐らく、相手は二人。

それに犬の腕はそこそこ買っているつもりだ。


(怪我でもしてんのか…それとも相手の方が強ぇのか…?)


後者なら楽しみだ。

そう口元を歪め、刀を構え直す。


そして窓を突き破って中に飛び込めば―…




「…ばヵか、でメェ。」

「っ、うっせぇなっ!遅れてきた癖によっ!!」


対峙する二人の内、一人を見て納得した。


『女』。

どこか見覚えのあるソイツは、犬にとって最も厄介な相手だ。


思わず溜め息を吐いた。


(……ガキはガキ同士でやってろ。)


そう皮肉を言い放ったものの、どこまで犬に通じたか分からない。

だが、返事も待たずに俺はその女に向かって走り出した。




----------------
怪我はしていないようだと横目で確認。

犬が怪我をすると、どこかの医者がうるさくて嫌になる。

*前次#

戻る

嘘つき、ロンリー。