せんせいのわんこ

わんこのさんぽ


適度な運動はストレス発散にもなる。

それは人間も犬も同じことだ。


だから人が犬を飼う時、日課として散歩が組み込まれる訳だが、


「ね、行こう?玄兎。」

「い、や…お、俺はいい、いいから…っ」


病院の前で看護婦と犬がそんな押し問答を始めて、もう随分と経つ。

往診に出掛けようとした矢先に、犬が以前俺の言った言葉を思い出してしまったのだ。


『外出時はニナと手を繋ぐようにするか。』


何も知らないニナが不思議そうに首を傾げる。

対する玄兎は必死に手を背後へと隠していた。


その様子を傍観しながら、煙草を一本くわえて火を点ける。


「もう…またテオ先生が変なことを言ったんでしょう。」

「そ、そうですよ!大体先生が」

「調子に乗るな、駄犬。」

「だっ!?」


ここぞとばかりにニナの言葉に便乗してきた玄兎。

それをばっさりと切り捨ててやれば、玄兎はあからさまに肩を落としてみせた。


いや、どちらかと言えば『駄犬』発言の方がダメージが大きかったらしい。


「駄犬…駄犬って……」

「リードを拒むような犬は駄犬だろうが。」

「?リード??」


ますます訳が分からず困惑するニナだったが、とりあえず玄兎が落ち込んでいることだけは察したようだ。

「先生、さすがに今のはかわいそうですよ」と玄兎の味方に回るニナ。


いつになったら出掛けることが出来るのか。

紫煙と共に溜息を吐き出した。





泣くなよ、baby

(じゃあ、ヘタレ犬だな。)
(!?)
(先生!もっと可愛いのにしてあげてくださいよ!)
(…そういう問題か?)


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リクエストありがとうございました!

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嘘つき、ロンリー。