せんせいのわんこ
わんこのじゃれあい
気分はまるで、散歩の途中でリードを手放してしまった子ども。
しかも逃げた相手は大型犬で、その上、他の犬と喧嘩を始めてしまったものだから途方に暮れるのも無理はない。
でも俺、思うんだよねぇ。
それって、そんな大役を子どもに任せた親の責任デショ?
「だから悪いのはテオ先生なんじゃない?」
そう笑ってみても、残念ながらあわあわと涙目のニナちゃんには通じなかった。
こんな可愛い子を泣かせるなんて隅に置けないねぇ、お二人さん。
なんて苦笑しながら頭上を見上げれば、大型犬と呼ぶには小ぶりな、だが恐らく大型犬以上に獰猛な犬が二匹、飼い主そっちのけでじゃれあう姿が。
仕事途中の俺達と、買い物帰りのニナちゃん達が路上でばったり会ったのは数分前。
相変わらずニナちゃんから離れて歩くポチくんをニックが鼻で笑い、さらに挑発するようにニナちゃんの頭をポンポン叩いたのがきっかけ。
毎度のことながら懲りないポチくんもそうだけど、飽きない相棒にもつい呆れてしまう。
きっとニコラスにとってポチくんは遊び相手…というより玩具なんだろうなぁ。
「おーい、相棒。そろそろ仕事に戻んべー。」
聴こえてないのは重々承知、それでも一応ポーズってのは大事だ。
そしてタイミング良く「先に行ってろ」とニックが言ったのを確認し、俺はテンパるニナちゃんを何とか宥めて仕事に戻ることにした。
ニコラスが事務所に帰ってきたのはそれから二時間後のことだった。
おかえり、brother。
(その首筋には見事な歯形)
(一体どんな遊びをしてきたのやら、)
(相棒はひどく満足げだった)
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悪男強化より。
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嘘つき、ロンリー。