もしかして:喜劇?
花ちゃんとフツメン
※『鴉Ladies』
※一部キャラ名については今後公式発表があり次第変更致します。
―…昔々あるところに、竹取りの嫗という者がおりました。
「おうなって何?」
「えっと…おばあさん、って意味かな…?」
少しヒヤヒヤしながら答えれば、「ふーん、そうなんだ?」と嫗役のトラちゃんは納得した様子でそれ以上何か問い返してくることはなく、思わずホッとした。
もしこれが、例えば拓海ちゃんとかだったらニコニコと可愛く小首を傾げながら「へぇ?現役女子高生を捕まえて、おばあさんなんて呼ぶんだぁ?」などとチクチクこちらの良心を攻撃してきたに違いない。
(というか、このキャスティング、別に俺が決めたわけじゃないんだけどなぁ…)
なんて思いつつ、パラパラと渡されたばかりの台本をめくる。
何故かこれから『かぐや姫』の劇をすることになったわけだが、どうやら主な役についてはメゾンプラムスターの住人が割り当てられているらしい。
さっきも言ったけど、竹取の嫗役がトラちゃん。
かぐや姫に求婚する貴族役が蓮ちゃん、文ちゃん、拓海ちゃんの三人。
そして、肝心のかぐや姫役は勿論、我らが花ちゃん……ではなく何故か、俺。
「いや、本当何で俺?普通ここはさ、花ちゃんだと思うんだけど…」
「玄兎くんってば、まだそんなこと言ってんの?」
「だってさ、花ちゃん適役じゃん?ばっちり姫カットだし、何より可愛いし。」
「やんだぁ、褒めてもなぁんも出ねぇずら!」
「うぐっ!?」
突然謎の方言が割り込んできた、かと思えばバシッと背中に衝撃を受けた。
少し咳き込みながらも振り向けば、テレテレと笑う清楚系美少女の姿。
まさかの帝役、花ちゃんである。
「ちょっとー、花ちゃんの出番はまだまだ先だよー?」と苦笑混じりに注意するトラちゃんに「あんれま?そうなんけ?」と首を傾げる花ちゃんは正に純粋可憐。
あぁ、なんて眩しいことか…そう言えば確か光属性なんだっけ?
マジでそんな彼女を差し置いて何で俺がかぐや姫なの?
「仕方ないじゃん、男女の比率考えると性別逆転させるしかないでしょ?となると男は玄兎くんだけなわけだし。」
「いや、いないならいないで無理に当てはめなくても…何なら全員女の子でやっても良かったんじゃない?」
「ていうかコレ、まだマシな配役なんだからね。あんたに求婚する役、最初は胡蝶蘭、金鳳、和装、加和田、白百合からそれぞれトップを出すって予定だったんだから。」
「!?なんて恐れ多いメンバー…!下手したら抗争勃発!?…って、あれ?胡蝶蘭のトップは花ちゃんでしょ?となるとその場合、帝役は…?」
「元胡蝶蘭のアマチ。」
「うっわぁ…」
「まぁ、あのツンデレが全力で拒絶したから今のメンバーになったんだけど。」
「だろうね…っていうか、次にアマチちゃんと会った時の反応が怖い…!」
「心配いらねぇべや!」
バシッ、と再び衝撃音。
だけど今度花ちゃんが叩いたのは俺の背中ではなく、自分自身の胸だった。
「玄兎はオラが守るでごわす!」
そうニッコリと笑う花ちゃんはやっぱり眩しかった。
かぐや彦のものがたり
(ちなみにラストは「皆仲良くメゾンプラムスターで暮らしましたとさ。めでたしめでたし。」って感じ?)
(『かぐや姫』感ゼロのオチ…ってちょっと待って!あそこって女子のシェアハウスじゃん!?)
(玄兎なら大歓迎じゃけん!)
(花ちゃん、嬉しいけど俺一応男だから!)
(一応なの?)
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嘘つき、ロンリー。