一郎彦と叔父02


※猪王山弟主。
※一郎彦、青年期。












「叔父上は、私のことがお嫌いですか…?」


微かに笑みを浮かべながらも、どこか悲しげに細められた目。

普通ならここで、胸を締め付けるような罪悪感が首をもたげるところだろう。


そう、普通ならば、だ。


「…そうだな。俺の上から今すぐ退いてくれたら答えてやってもいいが。」


ソファーに横たわった俺の腹を跨ぎ、所謂マウントポジションを取ってこちらを見下ろす甥っ子。

目を覚ますと同時に飛び込んだその光景に、思わず頭が痛くなった。


悲しげな目?

どちらかというと愉しげに歪んでいるように見えるのは俺の被害妄想か?


いや、ひとの睡眠を邪魔しているのだ、罪悪感を抱くべきなのはむしろ一郎彦の方だろう。

しかし、やつは一向に動く気配すら見せない。


「昔の貴方は違った…僕に『好きだ』と囁いて、この身体を抱いてくれたのに。」

「誤解を招く言い方は止めろ。確かに『好きだ』と言ったことは認めるが、その後は抱っこだ。抱き上げただけだ。」


あぁ、本当に頭が痛い。

その痛みを何とか逃がそうと、俺は深くゆっくり息を吐き出した。


すると、上下する俺の胸元を妖しくなぞり始める、一郎彦の白く細い指先。


兄貴は一体どういう教育をしてきたのか、小一時間ほど問い詰めてやりたくなった瞬間だった。





あざとい一本!

(結局、最後は実力行使で上から排除)
(そして何とか甥を部屋から追い出した後、白兎はぽつりと呟いた)


「…しばらく熊徹のところにでも行ってみるか。」


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プチ☆夏フリリク企画より。
企画へのご参加ありがとうございました!


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嘘つき、ロンリー。