理一と友人02
「携帯、鳴ってますよ。」
そう親切に教えてくれた同僚に軽く礼を言って返す。
一応愛想よく笑ってみせたのだが、上手く笑えていたか自信はない。
そして同僚がこちらに背を向けると同時に溜息を吐いた。
(わざと無視してたんだけどなぁ…)
指摘されたからには仕方ないと、渋々俺は携帯を手に取った。
開いて見れば着信が一件と、メールが一通。
どちらの差出人も、『陣内理一』。
『好きだ、白兎。』
忘れようとしていた記憶が蘇りかけ、反射的に振り払う。
あの夜の一件以来避けてきたが、向こうはそれを許してはくれないようだ。
まぁ自業自得だろ、と頭の片隅で別の旧友が嘲笑う。
『NOが言えない日本人の典型だよなぁ、お前。』
「……うっせ。」
言われなくても分かってる。
そう吐き捨てながらも指先は携帯を操作していた。
電話をかけ直す勇気はないがメールくらいなら…なんて思う辺り、自分でもどうしようもないなと呆れてしまった。
とりあえずの執行猶予
とりあえずほとぼりが冷めるまで、
(大人しく待っていれば自由になれるとでも?)
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嘘つき、ロンリー。