【ゲーム(強制)スタート】03
入学して四年目。
ここホグワーツは七学年制なので、ちょうど折り返し地点に当たる。
つまり、卒業まで残り三年。
それを「もう三年」と感じるか「まだ三年」と感じるかは個人によって違うだろうが、別に違ったところで何か問題がある訳ではない。
そんなの、俺だって解っている。
「まだ三年あるよ。だから、」
だけど俺はその優しげな声を遮って、わざと乱暴に音を立てて席を立った。
そのおかげか、後を追い掛けてくる気配はない。
代わりにひそひそと取り交わされる声が、「最近ますます成績が下がったから」だの「粗暴な性格に拍車がかかってきた」だの、好き勝手言っているのが聴こえてくる。
「もう放っておけよ、セドリック。」
そして最後に聞こえてきた言葉に、一瞬足が止まりそうになった。
(……そうだ、もう放っておけばいい…)
俺は知らない。何も知らない。
なんて何度自分自身に言い聞かせても、脳裏を過るのは、先日秘密の部屋の怪物に襲われたという一匹の猫の姿。
正直、怖くなった。
結局猫は死んでいなかったらしいが、あの光景に『誰かの死』が重なり、急にそれが現実味を帯びていくのを感じてしまった。
(大体、俺がやる必要なんて…出来ることなんて、何も………)
ホグワーツに入学して四年。
セドリックと関わるようになって、四年。
今更知らない振りなんて無理だということも、解っていた。
同室者が皆寝静まる中、僕は一人、眠れずにいた。
何が白兎の気に障ったのか分からないけれど、きっと僕の方が悪かったんだと思う。
だから何度も謝ろうとして、でも結局あれから一言も話せないまま、一日が終わろうとしている。
(明日には機嫌が治っているといいな…)
そしてぼんやりとそのベッドを見つめていると、不意にその山が動いた。
どうやら寝返りを打ったらしく、掛け布団がずり落ちる。
今夜は寒い、だからそれを直してあげようと自分のベッドから下りて手を伸ばした瞬間、
「……セドリック…」
呼ばれた名前に、一瞬起こしてしまったかと慌ててしまった。
だけど恐る恐る顔を覗き込めば、その瞼はしっかりと閉じられたまま。
なら、今のは?
(、もしかして、僕の夢を…?)
思わず口元が弛みそうになり、反射的にそれを隠した。
ドキドキとうるさい鼓動のせいで『誰か』を起こしてしまうかもしれないと、本気でそう思ってしまった。
「…ごめんな…セドリック……」
「……いいんだよ、白兎。」
寝言に返事をしてはいけないと言うけれど、応えずにはいられなかった。
そして布団を掛け直してやり、ついでにその髪を撫でて、身を乗り出して。
「おやすみ。」
いつか、起きている白兎に出来ますように。
そう願いを込めながら、そのこめかみに口づけを落とした。
プレイヤー変更不可。
(ただし、ジョブチェンジは応相談?)
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嘘つき、ロンリー。