【ゲーム(強制)スタート】05


今年の入学式こそXデーだ、と思って身構えていたものの、気付けばもう二週間が経過。

その間ホグワーツ内で起きた騒動といえば、グリフィンドール寮の双子がやらかした一件ぐらいだろうか。


生憎、噂でしかその全容を知らないが。


(しかしまぁ、何て言うか…拍子抜けした、っていうか……)


被害に遭った同級生達には悪いが、あれくらいの悪戯はまだ可愛い方だろう。

これからホグワーツは、いや、魔法界はとんでもない問題の数々に直面することになるのだから。


狙われる賢者の石。


秘密の部屋の怪物。


とある囚人の脱獄。



(…って言っても、正直俺もあんまりよく知らないんだけど。)


よくよく知っているのはそれらよりもずっと後の、今から五年後(下手すれば六年後?)のこと。

ホグワーツで何か大きな大会が開かれることになり、その最終競技中にどこかの墓場で―…


…と、これ以上思い出すのは精神的ダメージがある上、今後しばらく隣を見ることが出来なくなるので、ひとまずシャットアウトしておくが。


ちらりと隣を盗み見ると、セドリックが仲間達と楽しそうにクィディッチの話で盛り上がっていて、何となくホッとした。


(何が問題かって、やっぱあれだけの話題作をろくに知らなかった、ってのが一番の問題だよなぁ…映画は何度もテレビで放送されてたし、最終的にはアトラクションなんかも建設されて…いや、アレはちょっと行ってみたかったけど。)


この先もいつ何が起こるか、そして何が役に立つのか、なんて分かったものではない。


という訳で、今生のモットーとしてはもっと流行りに敏感になろうと、そう思った。










寮生活も二年目ともなると、同級生の特徴はお互いに大体把握済み。

それによって、いつの間にかグループ分けのようなものがなされ、自然とそのメンバーで行動することが多くなってきた。


中でも白兎は、入学式の日に隣り合って以来いつも一緒にいたけれど、最近『クィディッチ』という共通の趣味のおかげでますますそれが顕著になり、周囲からはすっかり「二人一組」で認識されている。


何となく、悪い気はしない。

白兎の方はどうだろう?


「なかなか順調で…」

「え?」

「あ、いや、何でもない。こっちの話…っと。ここら辺でいいか。」

「そうだね。…まだみんな来てないけど、先に準備体操始めておこうか。」

「おー。」


競技場の利用時間は限られていて、一秒でも無駄にするのは惜しい。

そして何より、早くクィディッチをやりたくてワクワクしている。


それはきっと、白兎も同じだ。


いつか寮代表選手になれたらいいね、なんて話しながら荷物を地面に置いていると、ふと視界に入ったのは僕らより先に来て練習していたグリフィンドールの寮生達。


中でも一際目立つビーターは、


「流石、双子っていうか…俺らもあれくらい息の合ったコンビになりたいよなぁ。」

「シーカーとチェイサーで?」

「クィディッチに限らず、だよ。」


そう口にした瞬間、自分の言ったことに照れたのか、誤魔化すように「いや、こっちの話」と肩を竦めてみせた白兎。

ただ残念ながらそれは誤魔化しきれず、僕は思わず笑ってしまった。


「…よし。んじゃ頑張るか、相棒。目指せ、ウィーズリー。」

「そこは『打倒』の方がいいんじゃないかな?」





経験値はこつこつと。

(見えない努力が大事です)

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嘘つき、ロンリー。