【ゲーム(強制)スタート】06
前に一度、どこかで見た顔だ。
名前を呼ばれ、壇上に上がった少年を見てそう思った次の瞬間、セドリックはその光景を思い出していた。
入学準備のために訪れた、ダイアゴン横丁。
向こうも家族か友人と来ていたらしく、誰かと話す姿を見たのは人混みの中の、ほんの一瞬のこと。
(白兎、っていうんだ…)
一方的にとはいえ顔を知っているためか、何となく親近感が芽生える。
どこの寮に入るんだろう、なんて考えていると、タイミング良く「ハッフルパフ!」と大広間に響き渡る組分け帽子の声。
周囲の生徒達につられるように拍手をしながら、セドリックは自分の隣にちらりと視線を落とした。
セドリックの次に、ハッフルパフ寮に選ばれた生徒はまだいない。
その隣の席は、空いている。
だから、
「同じ寮だね。初めまして、僕はセドリック・ディゴリー。」
思った通り自分の方へと歩いてくるその姿に待ちきれず、相手が席に着くより先につい声を掛けてしまった。
笑顔で差し出した手に、だが向けられるのは困惑の表情だ。
(…ちょっと、馴れ馴れしかったかな?)
「どうかした?」
「い、いや、その……よ、よろしく…?」
「よろしく。」
そして恐る恐る握り返された手に、少しだけ力を込める。
元々人見知りするタイプなのか、あるいはまだ緊張が解けていないのもしれない。
どちらにせよ、その様子はセドリックにとって微笑ましく感じられたのだった。
これってニューゲーム?
(一体何が始まるのか、)
(あぁ、楽しみだ!)
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嘘つき、ロンリー。