【趣味は、読書です。】06
「おい、堂上が探してたぞ。お前、今度は何をやらかしたんだ?」
そう苦笑しながら去っていく同期の背に、白兎はそっと溜め息を吐いた。
初めは単なる業務連絡のおまけだった。
それが世間話のついでとなり、すれ違い様の挨拶代わりとなり、それからー…
徐々に怪しくなっていく雲行きに、自然と足取りが速まるのも無理のない話。
(堂上が、自分を探している?)
一瞬、白兎は持っていた一枚の書類に視線を落としたものの、これまで対峙してきた相手の様子などから察するに、恐らくそれが目当てではないとすぐに思考を切り換えた。
そしてかの同期の言葉を借り、「今度は何をやらかしたんだ?」と自問自答を繰り返す。
恥ずかしながら心当たりが全くない訳でもないが、もしそれらを外してしまった場合、藪蛇どころか火に油を注ぐ破目になるだろう。
事は慎重さを要していた。
だがしかし、もっと怖いのは目撃証言は多々あるのに未だ肝心の堂上自身の姿が見えないことだ。
たまたますれ違っているだけか?
それとも、こちらの隙を狙い済ましているのか?
少々疑心暗鬼に陥っていた白兎はその生殺しのような状態に、「来るなら来い」と半ばやけくそ気味に毒づいた。
「白兎さん!」
あ、やっぱり来ないでください。
今までにない切羽詰まった声に名前を呼ばれた瞬間、前言撤回したところで時すでに遅かった。
「何やったんですか!?堂上さん、ものすごく怒ってましたよ!?」
【恐怖小説】
(ハッピーエンドを希望)
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嘘つき、ロンリー。