【seven】04


「へぇ…魔法使いって本当にいるんだ。」


黒鉄病から始まり、鎖部一族、そしてはじまりの樹と絶園の樹。

それらの話を一通り聞いた上で、不破白兎が漏らした感想はそのたった一言だった。


「流石は真広の弟だな。」


そう感心すれば、私の隣で吉野が苦笑する。

だがそれ以上何も言わない辺り、恐らく吉野も同じことを思ったのだろう。


(……同じことを…つまり、私と吉野は気持ちが通じ合って…!)


「おい、白兎。聞いてんのか?」

「ん…」


ふと不機嫌な真広の声が耳に届き、つられるようにそちらへ顔を向けた。

私達より少し離れたそこには、魔具の説明をする真広とそれを聞く白兎の姿。


「ったく…お前、好きじゃなかったか?そういうマンガ。ほら、前に映画の原作にもなっただろ。」

「あぁ…兄貴が馬鹿にしてたやつ。」

「別に馬鹿にはしてねぇよ。ただ話の流れが不合理だってだけで…」


私があの無人島から舞い戻ったことにより、一応は収束した今回の騒動だが、またいつ何が起こるか分からない。

それを危惧した、真広なりの兄心のようだが。


「兄の心弟知らず、って感じですね。」

「そのようだな。」


話が逸れたと舌打ちする真広を横目に、どこから取り出したのか飴を口に放る白兎。


(……そういえば、)

「葉風さん?どうかしました?」

「ん…いや、何でもない。」


魔法の存在を知った真広は復讐を求め、吉野は蘇生を望んだ。

そのどちらの反応も見せない白兎は、義姉の名前すら口にしたことがないように思う。


(弟の心も分からんな…)


じっと見つめていたせいか、私の視線に気付いた白兎は「食べます?」と飴を差し出してきた。






【暴食】

(それは、沈黙。)

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嘘つき、ロンリー。