【しのびのこども】06
※六年と伊賀主(バジリ)。
―…この度のこと、まずは深くお詫び致したく、筆を取らせていただきました。
貴校の門下生だとは気付かず、幾許かの傷を負わせてしまったこと、誠に申し訳なく思っております。
あれが実技であれ任務であったのであれ、危害を加えるつもりなど毛頭にございませんでした。
私もかつては貴校の門下生であった身の上。謂わば彼等は私の後輩であり、兄弟のような存在なのです―…
「…あの男、うちの卒業生だったらしいな。」
「あぁ。詳しくは知らんが、一年か二年は私達と在校が被っていたらしい。」
「……もそ…」
「うーむ…あんな人、いたか?私は全く覚えてないぞ!」
「まぁ、僕らが下級生だった当時の上級生だからね…覚えてなくても仕方ないさ。それより皆、大した怪我もなくて良かったよ。」
「いや、良くはないだろ。いくら相手が卒業生だったとしても、仮にも敵に情けをかけられたんだぞ?俺達は。」
「…お前と同意見と言うのは少し癪に障るが、確かにそうだ。おまけに学園長先生宛に謝罪文が届いたとか…あの野郎、舐めやがって…!」
「それこそ言っても仕方のない話だろう。向こうがこちらより一枚も二枚も上手だった、というのはまず間違いあるまい。」
「……もそ……もそ…」
「え?あ、確かにその話は聞いた気がするな!」
「…よし、とりあえずこれで手当ては終わったよ。まだしばらくは患部に熱を持ったりするだろうけど…他に痛むところはないかい?」
「おぉ、すまん。大丈夫だ、問題なさそうだ。」
「……もう夜も遅いな。そろそろ自室に戻るか。」
「先生方への報告も明日改めて行われるからな、今夜はこの辺りで解散としよう。」
「…………」
「そうだな!あぁ、疲れた!」
「じゃあ何かあったらまたここに。今夜は僕が詰めているから。」
「お前もしっかり休むんだぞ。いいな?」
記憶の温度
(まぁ、私の独り善がりでしょうが)
*前次#
戻る
嘘つき、ロンリー。