【誰かの好意を踏みにじってしまいました。文字通り。】03
「なぁ…ちょっといいか…?」
正直、この時の俺は「珍しい奴に声を掛けられたなぁ」ぐらいの認識だった。
「何だ?岩泉。」
「ちょっと、あー…聞きたいこと、があるんだけどよ……」
「聞きたいこと?」
何度か話したことはある、が、それほど親しい訳でもないクラスメイト。
同じクラスというだけで他に特に接点もなく、用件が何なのか全く見当も付かな…
……ん?岩泉?
前に何かあったような……
…………
…………………あ。
「………もしかして、手紙のことか?」
いや、まさか、そんな…と思いつつ、恐る恐る尋ねれば「あれ、やっぱりお前が…!」とやや食い気味で返されてしまい、「はい、アウトー」と脳内で判定が下る。
一体どこでバレた、っていうかもう半月も前の話だぞ?
俺なんてすっかり忘れてたんだけど…え、何?もしかして今の今まで犯人探しを?
運動部の癖に意外と根に持つタイプなんだな…というのは俺の偏見ですか?…そうですか。
「あー…本当、悪かったな。」
とりあえず先手必勝、殴られる前に謝ってしまえ。
一応少しでも印象が良くなるようにと爽やかスマイルをイメージしてみたものの、効果のほどは…いや、まぁ…うん。
俺からそっと目を逸らした岩泉の反応から察していただきたい。
重ね重ね、本当すまん岩泉。
「嫌がらせとか、そんなつもりはなかったんだ。」
「い、や、別にそんなことは思ってな」
「出来たら忘れてくれるとありがたいんだけど。」
「!忘れられる訳ねぇだろ!」
「!?」
畳み掛けるように言い訳し、あわよくば許してくんないかなー…なんて俺の魂胆はあっさりと見透かされたようだ。
さすが運動部!と思えるような一喝を岩泉から頂いてしまった。
…でもまぁ確かに、そうだよな。
ラブレターを踏むとか嫌がらせ以外の何物でもないよな。
悪気はなかった、と言われて信じる方が無理だ。
俺なら絶対信じない。
なので、やはりここは誠心誠意込めて謝罪をば…!と意を決した矢先、
「っ、悪い…!」
え、何で岩泉が謝んの?
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(その後、疑問を解く間もなく何故か及川が乱入)
(そしてこの日から俺は何故か岩泉達と昼飯を食うことになった)
(…いや、本当、何で?)
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嘘つき、ロンリー。