はじけないシャボン玉



 死神修行二日目。目が覚めた時にはまだ朝日は見えず、薄暗い空が広がっていた。寒さが苦手な私はいつもなかなか布団から出られないのだが、もうそんな悠長なことは言ってられない。肩を縮こませながらいそいそと布団から出る。
 修行が始まったとはいえ、私は技術開発局の局員だ。夜明け前から一番に出勤して、最低限の雑務をこなしていく。道場に顔を出すのはそれからだ。

 喜助さんはおそらくまだ来ないだろう。あの人は朝が弱いみたいで、よほどの用事がない限り局に現れるのは昼を過ぎてからが多かった。けれど、まあ、私の課題ははっきりしてるし、一人で始めても問題ないだろう。冷えきった空気のせいで氷のように冷たくなった道場の床に正座をして、感覚を研ぎ澄ませる。
 
 ――霊圧を小さく抑えて維持をする。なんてことない課題なのに、それがどうにも難しくて。まだ期限までは一日あるけれど、出来るなら今日中に習得してしまいたい。白く霞む吐息の向こうで、私は昨日と同じように練習を始めた。



 ***


 太陽が高く登った頃。修行に没頭してみたものの、思うようにいかず成果は見えないまま。不安と焦燥がじわじわと心を侵食していく中、それには見て見ぬフリをして、一息つこうと道場の扉を開けた時だった。


「――にゃぁ」
「……あ、猫だ」

 すぱん、と襖を開けると、視線の先――中庭の茂みの中にいる三毛猫とばっちり目が合った。へぇ、隊舎の敷地内に野良猫がいるなんて、初めて見た。珍しい来客の姿をもっと良く見ようと、その三毛猫の目線に合わせるようにその場にしゃがみ込んだ時。突然、後ろから大きな声が聞こえてきた。


「――いたぞ!捕まえろ!!」
「あ、翡葉さん!!その猫!捕まえてー!!」
「え、な、何事?!」


 道場に続く廊下の先から、ドタバタと慌ただしく数人の局員たちが走ってくる。一人は虫取り網を、一人は猫じゃらしを持っていて、明らかに「猫を捕まえ隊」が結成されていた。彼らの表情は至って真剣そのもので、とてもふざけているようには見えない。……一体、あの三毛猫に何が?も、もしかしてサンプルとかにしようとしてる……?!


「だ、ダメですよ!いくら皆さんとはいえ、あんなに可愛い猫ちゃんをサンプルにするなんて――!!」
「なっ、ち、違いますって!俺達はそんなつもりじゃ!!」
「あー!逃げたぞー!!」


 私たちの大声に驚いたのか、猫はビクリと反応してから素早く茂みの奥へと姿を消してしまった。うん……まあ、そうなるよね。いきなり大人が複数人で走ってきて、騒いで、捕まえようとしたら。猫だって誰だって、逃げたくもなる。


「一体何があったんです?そんな必死に猫を追いかけるなんて」
「いやあ、それが……大事な書庫の鍵をあの猫に盗まれてしまって……」

 
 猫が逃げた方向へ急いで向かう彼らの一人を引き止めて事情を聞いてみれば、それなりに厄介なことになっているようだった。どうやら、書庫の整理中に局員がうっかり鍵を落としてしまい、たまたま通りがかった猫がそれを咥えて逃走。しかもその鍵には他の鍵も束で付いていて、さらにはスペアも無いから、あれを取り返さないと仕事にならないのだとか。
 なんともまあ気の毒な話だと思ったが、事情を聞いてしまった以上見過ごす訳にもいかず。あの猫を見つけたら昼食を奢ってもらう約束の元に、協力を願い出た。さっさと見つけて捕まえて、奢りでお昼を食べて、修行に戻ればいい。――この時の私は、そんな風に軽く考えていたのだ。


「おーーい、猫ちゃーん!どこにいるの〜!」


 猫が好みそうな茂みや縁側の下、木の上などを中心にあちこちを探し回る。何度か三毛猫の姿を見つけはしたものの、こちらが一歩近づくたびに警戒心を露わにしてさっと逃げてしまう。物音を立てぬよう忍び足で距離を詰めても、一定の間合いに入ったとたんに気配を察知され、スルリとかわされる。
 そうして繰り返しているうちに、どうやらあの猫も猫で追われるのを楽しんでいるのか――わざと見つかっては逃げる、を繰り返すようになっていた。おかげで捕獲作戦はかなり難航している。当たり前の事だが、野生動物を捕まえるというのは決して簡単なことではないのだ。時刻はお昼をとっくに過ぎており、腹の虫も高らかに鳴いていた。

 
 次に三毛猫を見かけたのは、隊舎の縁側だった。いかにも「ここが自分の居場所」とでも言いたげに、堂々と毛繕いをして寛いでいて。私は廊下の曲がり角に身を潜め、壁越しにその様子をじっと伺っていた。
 ――捕獲に挑む手段は限られている。当然のことだが、道具などは何も持っていない。一度試しに猫じゃらしを振ってみたけれど、反応は薄くおびき寄せる事は出来なくて。マタタビでもあれば……と思ったけれど、さすがの技術開発局でもそれらしきものは保管していない。仕方なく、最終手段――素手での接触を試みることにした。

 まずは猫と仲良くなることが必須だ。撫でられるくらいまで心を許してくれれば、自然と捕まえられるはず。無理に捕まえようとすれば逃げられるだけなのは、身をもって知っている。一見手間のように思えるこの「平和的アプローチ」が、実は一番の近道なんじゃないかと私は思っていた。
 ――だから、そう。まずは遠くから姿を見せて、ゆっくりゆっくり近づいていこう。そう思って息を潜めていた時だった。


「ありゃ、朝緋サン?何やってるんスか、こんな――」
「しーっ!静かに!」
「(え?な、なんスか?!)」


 突然後ろから聞こえた声に、バッと勢いよく振り返る。するとそこには、不思議そうにこちらを見つめる喜助さんがいて。私はほぼ無意識のうちに彼の腕を掴んでおり、口元に人差し指を当てて静かにするよう促した。彼は目を見開いて驚いきつつも、こくん、と頷いて口を閉ざし、それを確認した私は恐る恐る壁越しに猫の様子を伺う。……よかった、まだ逃げてない。猫が変わらず毛繕いをする様子を見て、ほっと胸を撫で下ろし安堵する。

 
「ちょうどよかった、浦原隊長も手伝ってください!」
「な、何をっスか?」
「あの猫を捕まえたいんです!書庫の鍵を盗んで逃げ回ってるみたいで」


 視線は猫のほうに向けたまま、隣に立つ喜助さんへ簡潔に事情を伝える。責任者である彼に鍵が盗まれているなんて言っていいものか一瞬迷ったけれど、今はそんなことを気にしている場合ではない。それに何より、あの鍵を失くして一番困るのは彼自身のはず。
 
 
「……どうやって捕まえるんです?」
「どうって……素手ですよ」
「……もしかして朝緋サンって、意外と脳筋なんスか?」
「なんかすごく失礼な事を言われた気がするんですが」
「罠を張るとか、おびき寄せるとか……てっきりそういう作戦があるのかと思ったんスけど」
「ほほう。さすがは浦原隊長、私と違って頭脳派ですね」
「……怒ってます?」
「いえ?褒めてますよ」


 にこり。猫から目線を外して微笑みを向ければ、あはは、と肩を竦めて困ったように彼は笑う。出会った頃は挨拶を交わすだけで緊張していた相手なのに、いつの間にこうして気軽に冗談を言い合えるようになったんだろう。ふとそんな事を思いながら、ひとつ小さく息を吐いて彼の方へ体ごと向き直った。


「浦原隊長はここに居てください。私が向こう側に回りますから、挟み撃ちしましょう」
「鬼道の罠でも置いときましょうか?」
「や、やめてくださいよ猫ちゃんに鬼道なんて。可哀想です」
「……(あの猫、ただの猫じゃないんスけどねえ)」


 鬼道で猫を捕まえるなんて、何言ってんだこの人は。たしかに効率はいいかもしれないけど、動物を愛するものとしてそれだけは見過ごせない。なんとしてでも、霊力などは使わずに手で捕まえてあげたい。――そう、いつの間にか手伝いだったはずの猫捕獲作戦は、「私が捕まえる」という意地とプライドのバトルになっていた。まったく、修行中に何やってるんだか。……そう思っても、筋金入りの負けず嫌いな私は、一度火がついてしまったらもう後には引けないのだ。


「(そっと……ゆっくり近づいて……)」


 喜助さんと挟み撃ちをする為に、廊下の反対側に回り込む。三毛猫は変わらず縁側の上で毛繕いに夢中で、こちらの様子には気がついていないようだった。気配を消して、足音を立てないように息を潜め、慎重に近づいていく。ピンと張った糸のような緊張感の中、一歩、また一歩と踏み出す足が徐々に震えていく。


「(あと少し――あ!)」
「!にゃーん!」
「う、浦原隊長!そっちに行きました!」
「――っと、すみません、逃げちゃいました」


 残念、作戦失敗。あと少しで手が届くというタイミングで、猫は喜助さんの方にダダダッと駆け出して、そのまま高い塀の上に飛び乗って逃げてしまった。うーーん、あと少しだったのに、惜しかったなぁ。


「なかなか手強いですね。野生動物に素手で挑むのが間違ってるのかな……」
「まぁ、野良猫なんてもんはみんな警戒心が強いっスからねぇ」
「なるべく怖がらせないようにしてるつもりなんだけどなぁ」
「隠しきれないオーラが出てるんじゃないスか?」
「……私が怖いならそう言ってくださいよ」
「やだなぁ、そこまで言ってないじゃないスか。まあ、覇気は感じますけど」
「どっちも同じ意味では?!」


 二人で猫が消えた方を見つめながら、なんて事のない言葉を交わして。ふと会話が途切れた時、横に立つ彼を見上げれば――どこか面白がっているような、好奇心とほんの少しの悪戯心が宿った瞳がこちらを見ていた。

(……私にもそんな顔、するんだ)

 「それじゃ、猫、探してきますね」と。逃げるように小走りで猫を追いかけた。あの場に居続けるのが怖くなって、距離感を掴み間違える前にと、彼の返事も聞かずに飛び出す。……修行を放ったらかして何やってるんだと思われただろうか。でも、それでいいと思った。私には、目の前で困っている人を放って修行に励むなんて出来ないから。翡葉朝緋はそういう人間なのだ、早く猫を捕まえて鍵を取り返そう。

 ――しかし、困った人を放っておけないのは彼も同じで。目を逸らすようにあの場から立ち去ったのに、猫を追う私の後ろから、彼の霊圧が迫ってきているのを感じる。そう、浦原喜助は他人に興味が無さそうに見えるけど、実はそうじゃない。不用意に踏み込んで人を傷つけない為にあえて掴み所がないように振舞っているだけで、決して周りの人をどうでもいいと切り捨ててるわけじゃないのだ。口にはしないから伝わりづらいけど、目の前で困っている人がいたら一歩引いて手を差し伸べる。そういう人物だ。
 だからきっと、私が協力をお願いしなくたって、喜助さんは彼らを心配して猫探しを手伝っただろう。むしろ、最初から全てわかった上で私に話しかけたんじゃないかとすら思えてしまう。なんだか一人で張り切っていた自分が急に恥ずかしくなり、思わず苦笑した。



 ――カラン、コロン。遠くから聞こえていた下駄を転がす足音は、やがて私のすぐ後ろで止まる。私たちの目線の先には、再び三毛猫が映っていた。


「木の上に登っちゃいました」
「ありゃ〜、随分高いとこまで行っちゃったんスね」
「降りてくるの待つしかないですね」
「そっスねぇ……」


 木の根元、幹に寄りかかるようにして座っていた私の隣へ、少し間を開けて喜助さんは座った。私たちの見上げる先には、高い枝の上でくつろぐ猫がいる。一体どうしたものかと考えあぐねながら、指先からじわじわと寒さが忍び寄ってくるのを感じていた。
 陽射しの届かない師走の曇り空は、ひどく無口だ。視界の端にチラリと映る隊長羽織が、見慣れているはずなのにとても暖かそうに見えて。凍えた指先を守るように、せめてもの抗いで作務衣の袖を引っ張り、冷たい空気から手を隠した。


「あの子は寒くないのかなぁ」
「あれだけ活発に動いてたら平気なんじゃないスかね」
「……浦原隊長は動物にも詳しいんですか?」
「んー、まあ専門じゃないっスけどね」
「生物学の範囲内で……みたいな感じですか」
「そんなところっス」


 吐き出した息が、ふわりと白く曇る。……もし、今私が、寒いと口にしたら。この人は心配してくれるだろうか。


「犬派か猫派か、ってよくあるじゃないですか。私はどっちだと思います?」
「……聞いてくるってことは、犬派なんじゃないスか?」
「……人読みで答えないでくださいよ」
「じゃ、ボクはどっちだと思います?」
「浦原隊長は猫派でしょうね」


 考えるまでもない。当然、馴染みのある猫派であろう。彼にとって一番親しい人は猫の姿で隣にいるのだから。私は犬派で、私とは違う。それでいい。


「正解っス。でも、やけに自信満々な答え方でしたね」
「ん〜、そりゃそうですよ。浦原隊長が犬派には見えませんもん」
「そうなんスか?」
「ええ。まあ、理由は秘密ですけど」


 ふふ、と笑って彼の顔を見上げた。隣にいるのが当たり前な二人を思い浮かべて、誇らしくなる。私もいつか、夜一さんに会って話をしてみたいなぁ。黒猫を見かけたら積極的に話しかけてみようかな、なんて。
 私の言葉の裏を探っているであろう彼から視線をそっと外し、木の上にいる猫へ向ける。猫は相変わらず太い枝の上でのんびりとくつろいでいて、鍵の束が首にぶら下がったまま。


「猫派な浦原隊長は、あの子を捕まえる良い方法はご存知ないですか?あ、もちろん鬼道は無しで」
「ん〜〜そうっスねぇ……朝緋サンが協力してくれるなら、一つだけ」
「ほう。何でしょうか」


 私が問いかけると、喜助さんは懐からあるものを取り出して「これっス」と悪戯っぽい笑みを向けてきた。彼の手元にあるのは、何の変哲もないように見える猫じゃらしが一つ。


「……猫じゃらし?」
「ハイ。これでボクがあの猫の気を引くので、猫がこちらに夢中になってるところを朝緋サンが後ろから捕まえてください」
「……なんか、思ってたより普通というか、古典的というか……」
「猫を捕まえるには、警戒心を解くのが一番の近道っスからね」
「生物学的な話ですか?」
「まぁ、そういうことにしておきます」


 やけに含みを持たせた言い方に、思わず眉間に皺が寄る。喜助さんが何を言わんとしているかはあまり分からないけれど、まあ、異論も反論もない。作戦に同意する意味を込めて小さく頷き、一緒に立ち上がる。喜助さんが猫の方へ歩いていく背中を見届けながら、すっかり冷えきって悴んだ手を、はぁ、と息を吐いて温めた。
 
 彼が猫じゃらしを使って三毛猫と遊ぶ姿は、とても"戦いで死なない為に死ぬ程準備する"と言ってのけた、あの『浦原喜助』には見えなかった。戦場での真剣な姿と、この穏やかな光景とのギャップに、思わず口元が緩む。ああ、今スマホが手元にあったなら、絶対に録画をしていたのに。せめて己の目によく焼き付けておこうと、悴んだ手を温めるフリをして、緩む口元を隠したまま見守っていた。
 
 最初は気だるそうにしていた猫も、次第に猫じゃらしに興味を示しはじめ、そう時間もかからずにぴょんっと枝から飛び降りてきた。地面に降りた猫に向かって、喜助さんはしゃがみ込んで猫じゃらしを揺らし続けている。
 じっと動かず様子を伺っていたかと思えば、唐突に素早く飛びかかってくる。喜助さんの巧みな猫じゃらし捌きに、猫はすっかり夢中になっているようだった。

(よし、今がチャンスだ――!)

 抜き足、差し足、忍び足。出来るだけ音をたてぬように、気配を消してそーーっと近寄る。距離はまだ数メートルあるけれど、ここで焦って不用意に踏み出せば、猫の警戒心が一気に跳ね上がる可能性がある。そんな緊張感が私の中で張り詰めていた。
 喜助さんが器用に操る猫じゃらしに翻弄されて、ぴょこぴょこと小刻みに動き回る猫の背後から、あと二歩、一歩と、じわじわと距離を詰め――


「っ、捕まえたぁ〜!!」
「にゃ!」


 無事、捕獲に成功したのだった。

 っは〜〜〜、と、張り詰めていた息を吐き出して、腕の中にいる猫を覗き込む。透き通ったガラス玉のように綺麗な瞳は、僅かに緊張した様子でこちらに向けられているが、逃げ出す様子はない。腕から伝わってくる温もりはとても暖かく、寒さに悴んだ手によく馴染んだ。


「ありがとうございます、浦原隊長。さすがの猫じゃらし捌きでした」
「なんか、あんまり褒められてる気がしないっスけど……まあ、よかったっス」


 抱きかかえて両手が塞がっている私の代わりに、喜助さんがそっと猫に手を伸ばし、鍵を回収する。――時間はかかったけど、無事に鍵を取り返せてよかった。今回の事の発端となり落ち込んでいたあの局員も、これでやっと安堵できるだろう。
 

「まったく、人騒がせな子だな、君は。……これから寒くなるけど、逞しく生きるんだぞ」

 
 鍵を取り返し、役目を終えた猫をそっと地面に下ろす。三毛猫はこちらを見上げて、「にゃお〜ん」と一声鳴いたあと、茂みの奥へと軽やかに走り去っていった。

 
「……大丈夫っスよ、あの子なら」
「……何か分かるんですか?」
「あの子は、ボクが弱ってるところを見つけて保護した、魂魄の補強をした猫なんスよ」
「……へ?」
「つまりは、まあ、実験体だったってことっス。随分前に自然に帰したんスけど、なんだかこの辺りが居心地いいみたいで。住み着いちゃってるみたいっスねぇ」
「……なぁんだ、そうだったんですね」
「……隠してた事、怒らないんスか?」
「まさか。だって、あの子がこれからも逞しく生きていけるって事でしょう?喜ばしい事じゃないですか」
「――!」


 喜助さんは何かを言いかけて、それを呑み込むように視線を逸らした。ほんの僅かに捉えられた彼の瞳には、驚きとも戸惑いともつかないような色が浮かんでいた気がする。
 ――つまりは、きっと。喜助さんは最初から、あの猫を捕まえようと思えば捕まえられたというわけだ。鬼道で捕らえようとしたのも、そうしても問題ない存在であると分かっていたからなんだろう。それを私が大真面目に否定して、大真面目に野良猫と信じて捕まえようとしていたから、それに付き合ってくれた、というわけだ。……そんな不器用な優しさを向けられて、怒りなんて沸いてくるはずないのになぁ。


 

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