研修成果


周囲は気にすることなくご飯を食べる中、男女二人が言い争っていた。触らぬ神に祟りなし。この会社のモットーでもあるかもしれない。

「なんなんだお前は!」

「そちらこそ何なんですか!!」

グルルルルと吠える二人を見ながら月島は今日のカレイの煮付け中々味がしみていて美味いと箸を進める。止めようしたのだが、どうやらななしのは鯉登に恨みがあるらしく(何やら殺気を飛ばされたかとかで)感情が抑えられないらしいのだ。鯉登は鯉登で鶴見社長の信者でもあるので止められるわけがなかった。ちなみに相談という名の愚痴を言っていたのはこの男である。手を出したら流石に止めようと気を張りながら味噌汁に手を伸ばした。

「おいは、わいがすかん!!!」

一方、ごんべえの頭の中では鯉登の薩摩弁に反応して先程見た、研修動画の内容が流れていた。進研〇ミの漫画でよくある「あ!この問題知ってる!」と頭の中で流れる感覚に似たものを感じ取り、これいける!と思ってドヤ顔で言葉を発した。


「わたしはおはんのこっがすきよ!」


それを聞いた月島は味噌汁を口から出して噎せ、そして鯉登も固まった。あれ?私変なことを言ったのかな?と考えるも何処か変なのか分かっていない。

「ケホッゴホッ…」

「大丈夫ですか月島さん」

月島さんの背中を摩っていると鯉登がワナワナと肩を震わして私に指を指しながら「な、な、」と言葉にならない声を出している。よく見れば顔も赤くなっているような…?

「お、おなごがそんな、そんなこと言うんじゃない!」

「鯉登さん用事は…?」

月島が去ろうとしている鯉登に聞くと「なくなった!!」と大きな声で言って去っていく。それを見てはぁーと溜息をつきながら何も分かっていなさそうなななしのの顔を見て問い掛ける。

「ななしのさっきの方言の意味わかっているか?」

「ご飯が好きとかそういう感じでは?」

「・・・ななしの」

その言葉を聞いて頭を抱える月島は彼女に「薩摩弁を使うのはやめろ」と釘を刺す。同意以外は求めていないと目で訴えると「わ、分かりました」と言った。

月島は零した味噌汁を拭くために布巾を貰いに行くと同時に鯉登をどうするべきかと悩みが増えたのであった。