看病
月島さんがおかしい
昨日から江渡貝くんが来てた時もおかしかったけど今日は一段とおかしい
さっきから栄養ドリンクでドミノしてるもの
絶対おかしい
「月島さん?大丈夫ですか?」
「ごんべえ大丈夫だよ」
苗字呼びが当たり前なのに名前だもん
これ絶対おかしいよ
「ちょっと失礼します」
よくあるパターンだと熱があることが多い
すっとおでこに手を当てると
「あつっ!」
よくあるパターンで熱がありました
どうすればいいんだろうとおでこに手を当てた状態で考えると
「冷たくて気持ちいい」
と笑顔で私を見た
きゅんと心が鳴ってしまった
寡黙な月島さんが笑顔を見せるなんて珍しいことでしかも年上男性が見せるデレだと…
「あ、あの、氷持ってきますね」
「、待ってくれ、もう少しこのままで」
手を握られてしまいさてどうしようと思った時に
会社の固定電話からピピピピと音が鳴った
「はい、月島です、はい、」
と電話に出ると
「え、ななしのですか?ええ、代わります」
私を見て「鶴見社長からだ」と言われ受話器を渡された
「はいななしのです」
『ちょっと頼みたいことがあってね、今月島くんは体調が悪いだろ?』
「はい、ばっちりと熱がありました」
『すまないが家に送り月島くんを看病してやってくれないか?』
「・・・・・はい?」
唖然とした声が出てしまい月島さんはきょとんと私を見ていた
月島さんを何とか介助し家に着いた
彼の家は社宅に住んでいるらしくカードキーで施錠されるレオパ〇ス21のような作りになっていた
隣の部屋のおならの音が聞こえるって本当だろうか
ドキドキしながら月島さんの歩行介助をし中に入る
彼の部屋は101号室らしい
「すまないな…」
「いや大丈夫ですよ、いつもお世話になっていますし」
安心させるように笑うとふっと笑った
「お前を見ているとあの子を思い出すよ」
寂しそうにそう笑った
何故かその表情が記憶に焼き付いた
部屋の中に入らせてもらうと物が殆どなく生活感がない
まるで寝るための場所のようだ
家具は備え付けのものだろう
このままだと冷蔵庫の中も空っぽの可能性があるなと思い月島さんをベットに寝かせる
「月島さん、ちょっと風邪薬などを買ってきますので寝ててください」
「…早く帰ってきてくれ、いや、なんでもない」
「すぐに帰ってきます」
年上の人の頭を撫でるのは失礼かと思ったがそっと頭に手を置き撫でた
ジョリジョリ
これは病みつきになる手触り…!
月島さんの顔を見ると気持ちよさそうに目を瞑っていた
今のうちに買って来よう
「月島さん行ってきますね」
「ちょっとまて、俺の電話番号教えるから店に着いたら電話かけてくれ」
「(もしかして欲しいものとか聞くのかもしれない)分かりました」
電話番号を登録し外へ出た
スマホで周辺に薬局があるかどうか調べると意外に近くにドラッグストアがあったのでそちらに向かう
店に着いたら月島さんに電話を掛けた
ートゥルルルルル
『はい』
「月島さん何が欲しいですか?今ドラッグストアにいるので買ってきます」
『スポーツドリンク』
「分かりました」
電話をしながら買い物を順調に進んでいきレジに向かって精算
その後月島さんの部屋へ向かった
「あ、薬飲む前にご飯を食べないと…月島さん何か食べれます?」
「…麺類なら入るかもしれない」
麺類…、この家になにがあるだろうか…?
ちらっと周囲を見渡すとお歳暮のそうめんがあり出汁なども付いているセットがあった
「ちょっと台所借りますね」
うし、にゅうめんを作ろう
にゅうめんの作り方は簡単だ
そうめんを固めに茹で水で洗う、出汁を作り(めんつゆで薄めてもおけ)その中にそうめんを入れてひと煮立ちをさせる
あとは器に盛り付けて上にネギなどをトッピングすれば完成だ
味噌汁にそうめんをぶち込んでもうまい
そうめん様々だなとか思いながら作ったものを月島さんに持っていくと驚いた顔で
「ここ、何も無いのによく出来たな」
と言われたのでえへん!と威張っておいた
にゅうめんを食べ終えると水で薬を飲ませ、また寝かせるこおりぶくろに買った氷を入れて月島さんの頭の上にのせて後片付けをしようと思ったが月島さんは何か言いだけな顔をしていたのでベットの近くに椅子を持ってきて座る
「体調はどうですか?」
「大分治まってきたが…まだ動けそうになさそうだ」
身体を起こそうとした月島さんにストップをかける
「ダメですよ、頑張りすぎです。病人の仕事は休むことですよ」
「…すまない」
まあ、この人の場合は疲れもあるし栄養をとってないから倒れそうになったのかもしれないなと考えた。栄養ドリンクをあんなに飲んだら身体に悪いし食堂以外ではろくな物を食べてなさそう
月島さんはまだ寝れないようだ。気まずそうに目線を逸らしていたのでスマホでjazzを小さい音量で流しそっと置く。ゆっくりテンポの曲を聴くとリラックスして私は寝れるのでそうした
「…ななしのはjazz聴くのか?」
「たまーに寝れない時とかに流しますね、ゆったりとしたテンポなのでぐっすり寝れ…zzzz」
「いや早いな」
「まあ、狸寝入りなんですけどね」
顔を見合わせて笑った
「また居るので寝ていてください」
「…ありがとう」
ちょっとずつ目を瞑っていき寝息が聞こえはじめるまで近くで見守った
寝たのを確認すると食材が全くないのでスーパーへ買い物へ行った方がいいかもと思い明日1日分の材料を買う
炊飯器はあったので2キロのお米も
明日の分のご飯を作っておこう
米は時間予約しとけば炊いてくれるのでそれで
2回目の買い物が終わりまた家へ戻る
なんか彼氏の家に飯作るみたいだな、まあ鶴見社長から頼まれたからしたまでて特に理由はないけどね
部屋へ戻り様子を見に行く、汗をかいているので濡らしたタオルで吹く
「…ご草、すまん」
なにかに謝り涙を流した月島さんを見ながら
そっとタオルで拭いてあげた
…帰りにくいなこのまま放っておいたらダメな気がする
そっと台所へ向かい明日のご飯の準備をすると月島さんのお腹をあやすかのようにポンポンと叩き看病をしていった