杉元と戦う


「杉本佐一だな?」

「…どちらさんで?」

小型拳銃を向け俺に問う人物を見てあしらった。


「しらばっくれるなその軍帽に顔に傷がありマフラーをしている。ここまで不死身の杉元に当てはまる人物は他にはいない」


ちっと舌打ちをした。ここまでの情報を知っているということは何処かで情報が漏れたかそれとも漏らしたかのどちらかしか無かった。三十年式歩兵銃に銃剣をつけ構えると相手をまじまじと観察した。左足に小型拳銃を納めるホルスター、腰には小太刀らしきものを差しており、深いフードを被り顔を見えなくしていた。フードの隙間から見える服を見るに軍服とみたがどこの軍のものかは分からなかった。日本と露ではない


「誰の差し金だてめえ…」
と問うと相手は


「どちらかが死ぬまで戦うのに名乗る必要性はない」
と答えた。


「…そうかよ」
そう応えると杉元は相手に向かい銃を撃とうとしたがその前に銃声が聞こえた



「遅い」
見ると銃口から煙が出ておりその後右足から痛みが響く。それでも尚怯むことを知らずに突撃をする。相手はそれを見て


「日露戦争では突進する事により相手がビビって逃げて行くであろうと言う無能な上のせいで戦死者が多く出たと聞いたが生き残りもそれか」

と言い放った。杉元はそれに怒りを覚えた。戦友が近くで死んでいくのを間近で体験していた彼にとっては侮辱的な言いぐさであった

「殺してやるッ!俺は不死身の杉元だ!!!」

と言い放つと相手は左腕、右腕、右足、左足と合計四発加えて撃ち込む。それでも尚止まることもしない男を見て頭に血が登りすぎて痛みを感じられていないのか?それとも不死身と思い込む事によって自己暗示を掛けているのか?と思案しながら次は手元を狙った

杉元はこれを狙っていた二十六年式拳銃の装弾数は六発。あいつが持っているのも六発であろうとタカをくくっていた。つまり相手の武器は小太刀だけ接近戦では小柄な相手には通じるであろうとしかし相手は銃を下ろすこともなく構え続けた。風が吹きフードが揺れて顔が丸見えになったと同時に相手はまた銃を撃った。どうしてだなぜ撃てると意識が遠のくのを感じながら相手の顔を見た。女だった


ー俺は女に負けたのか不死身の杉元と言われた男が女に…


「…」
倒れた杉元の傍により足で頭を蹴った。動く気配がないと感じると首に手を当て脈を確認する。

「…また生きている」

こんなに撃たれていても生きようとする生命力確かに不死身の杉元だなと笑うと遠くから少女の声が聞こえる

「杉元どこだ杉元!」と探している。

流石に少女と戦うほど落ちこぼれてはいない。

彼女の愛銃2014年に造られたSIG SAUER P320に1908年に製造された.380ACP弾が装弾されている装弾数は10+1発

それをホルスターに納めるとその場を去っていった