尾形と戦う


情報を渡されターゲットを絞る。次の相手は山猫と言われる男らしいそれを聞いて心が踊る。スナイパーと戦う時は私もスナイパーライフルで戦いたい、それに近付かせても貰えないだろうしなと独り言ちる。狙撃手にとって最高の異名を得た男そんなやつと戦えるだなんて!もし死んでも悔いはないとIDタグにキスを落とした


「…やけに静かだな」

鶴見中尉からの追手を巻きながら周りを警戒し先に進む。

おかしい、どう考えてもおかしい、そう言えば追手はさまざまなところで待機をしていた、この状況はもしかして誘い込まれたか?

背中に冷や汗がたらりと流れ近くの木に身を潜めた方がいい、そう思い停止していた身体を動かすと同時に肩スレスレに銃弾がすれ聞き覚えのある音が周りに響いた

「!」


直ぐに近くの木に身を隠し状況を判断する尾形。

銃弾を打ち込まれた方角は分かったが位置が掴めない。

ただ銃弾が来て銃声が響いた時間を考えるに約900m。

俺が狙えるのは2000mであり射程範囲内だ。谷垣を殺せはしなかったがこの狙撃手は俺が仕留めてみせると冷静に思考を納めるとしゃく、と雪を口に含み口内の温度を冷やし吐息が白くならないようにすると息を潜めた。

女はNo.32 3.5倍スコープを装備したリーエンフィールドから男が隠れた木を見つめていた。外してしまった失敗だと舌打ちをした。方角は把握されている間違いなく、もしかすると銃弾と銃声の音で飛距離も把握されているかもしれない

ちくしょうとんだ失敗だ。おそらく相手は身を潜めて動ける機会を狙っているだろう。

どれくらいの時間が経っただろうか身体が寒さを訴え手が震えた。太陽が上に登り太陽の光で身体が少し温まる。スコープから目を離した瞬間に銃弾が飛んできた。頭を横にそらしていたためか肩に被弾する

「っ!」


声の鳴らない悲鳴が女の口から出たがこのまま近くに居ては不味いと遮蔽物に身を隠したその後も銃弾がすれ銃声が聞こえる。

何故バレた。肩を抑えながら上を見ると忌々しく太陽の光が差していた

「まさか…!」

尾形は銃を構え標的が何処にいるか目を凝らして見ていた。

動かず耐えることには慣れていた。白い息が出るのを確認すると雪をまだ口に含む。


太陽の光が差し込むと光が反射しているのが見えた。

双眼鏡が太陽の光を反射し光っているものと酷使しておりニヤリと笑うとそこへ向かって撃ち込む。するとフードを被った小柄な者が出てきた。銃弾を込めもう一度撃ち込むが掠っただけで致命傷は与えられていない、木に隠れるのを確認した


「ははぁ!形勢逆転だな、次は何をするんだ?」


恐らく身体のどこかには当たったのだろう。

もし当たっていれば失血死は免れないそのまま待ち続けてもいいが相手はそうはしないと考え、銃を構え狙い続けると何か手榴弾のものを投げると煙がもくもくと立ち込めていく。

反射光があった場所に銃を構え狙う。何故なら銃を拾いに行く可能性があるからだ。煙が消えるまで見届けると取りに行った様子もなく隠れていた木の周辺を見ると血痕が雪に所々ついていたのを見てため息をついた


「…逃げられたか、全く煙に巻かれてばっかりだな」


前髪を撫で付け銃を背負いしかし久しぶりに暇つぶしが出来たなと口角を上げ尾形はそのまま身を隠すように森の奥へ進んだ


※IDタグ=認識票 兵士の個人識別用に使われているもの