白石を助ける。追いかけられる
「うぅ…お腹が痛い」
お腹を押さえ屈むと
「なんだおめえ、まだ変なの食ったのか」と杉元に言われアシリパちゃんには「オソマ出してこい」と俺に言い放つと2人は俺を置いて先に進んでしまった。その時の俺の表情はとても悲しい目をしていたと思う
道の真ん中で屈み続けると怪しげなフードを被った人物が近付いて俺に声をかけた。
「…道の真ん中で何をしている邪魔だ」
そいつはそう言ったが俺は今そんな所ではない、腹痛で汗がダラダラと流れ返事も出来ないでいると、そいつは俺の目線まで姿勢を低くして顔を見た。
「…どこか体調でも悪いのか?」
「…お腹が」
と震えながら答えると何やら鞄らしきものが腰に付けられており見たことがない丸い物を差し出し「飲め」と言った。流石に俺も見知らぬ者から渡された物など飲みたくなかったがこのままでは埒が明かないそう思い、それを手に取り口に含むと水筒を差し出してきたので水と一緒に呑み込んだ。
「腕を貸せ。道の真ん中だと邪魔になる」
とそう言い腕を肩に回し歩行介助をしながら道の端っこへと運んでくれた。やだこの人凄い優しいとガン見し顔を見ようとした。するとフードの隙間から顔が少し見える。
ドクンと胸が高鳴る。女だ。そう言えば身体も小柄だ…匂いもいい匂いがする。シライシヨシタケに春が来たか?と胸の中で喜んだ。
時間が経つとお腹の痛みが治まり礼を言うと
「そうか、なら私はこれで」
と言って去ろうとするので立ち上がり口を開いた
「シライシヨシタケです。助けてもらえて嬉しいです。ちなみに独身で彼女はいません。恋には一途な男です!」
と告白した
「…」
告白まがいのモノが聞こえたが無視をした、するとくぅーんと鳴き悲しそうな顔でこちらを見る。
何だそのくぅーんって、厄介なものを助けてしまったと頭を抱えた。銃弾の補充をしに町に来たのが失敗だったのかそれとも運が悪いだけか。いや本当に邪魔だったから注意をしてしまった私が悪いし助けてしまった事にも非がある。
「軍服を着ていますが貴方は軍人なのですか?女性で凄いですね!あ、もしかして凄い家系の方なのですか?」
キラキラした目でこちらを見つめ言うが何も言わずに早歩きで通り過ぎた。すると後ろから走って追い掛けて「軍人さーん!」と言うので走って逃げる。もういっそ殺しとくか?と走りながら考えるが銃弾は節約したいし銃声で軍が集まってくる可能性がある、ここは我慢をしなければ
屋根を登ったり雪の中に埋まって追いかけられたりしながら逃げ続け約30分、息を絶やしながら後ろを向くと居ない。やっと撒けたとほっと一息をつき二度と人を助けないと心に女は誓った
※薬は征露丸 正露丸はもともと日露戦争時の軍薬として軍の兵士に配布され、胃腸薬として使用されていた丸剤に「征露丸」と名づけ、軍人に服用を命じていたとの記録が残っているらしい