第七師団へ忍び込む 月島に見つかる
なんだこいつは
目の前の小柄な人物をみて指で軍帽をずらし相手を注意深く観察をする。フードを深く被っており顔は見えないが腰に小太刀らしき物と足にはホルスターが装備されており一般人ではなさそうだ。
隙など見せないこの人物はどう見ていても俺と同じ匂いをさせていた人殺しの匂いを
「お前は一体何者だ」
「…」
目の前の人物は何も答えることは無かった、いや答えることなど必要ないという事か?舐められたものだ。男は女を睨み付けた確かに身長は同じくらいかもしれないが体格では俺が有利、そしてこちらも武器はある。この無礼な侵入者に教えこまなければ無表情に目の前の人物に狙いを定めて走り攻撃を仕掛けた
あの狸中尉に報告しないといけない要件ができたので第七師団の本部へ来たのだが私のことは誰にも話していないらしく門前払いをされてしまった。あいつ私が尾形に勝てないということを知っていてわざと周りに伝えなかったのか?それとも別の狙いがあるのか分からない、しかし支援がないと私も動けないので渋々建物に侵入し鶴見中尉を探していく、だが目の前の鼻が低く男性としては身長が低いが身体つきは筋肉の塊のような男に見つかりこのような状態になってしまった。こちらが女だとバレると恐らく門前払いをされるだろうなと質問を答えずに相手の動きを見ていたがどうやらそれは挑発と見られたらしくこちらに向かってきている
「…あまり荒立てた行動はしたくないのだけど」
独り言ちると男は「舐めるな!」と突進してくる。さてどうするか銃はダメだ、そして小太刀も使いたくはない。相手に傷も負わせずどうやって無力化にするかすっと腰のポーチに手を入れて目的の物を探し出すとそれを床に投げた。煙が黙々と立ち込める。私はその煙を吸い込まないようにして窓に身体ごと体当たりをし窓ガラスを割り外へ出た
窓ガラスが辺りに散乱し太陽の光でキラキラと光る破片を見ながらあの狸中尉め、会ったら説明を聞かせてもらおうじゃないかと怒りに震えた
「…ぐぅ、目が染みる」
ゴホゴホっと咳を出しながら硝子が割れた方向へ目を何とか向けると小柄な人物のフードがふわりと風に揺れて顔が確認出来るようになっていた「…女!?」と叫んでしまい声が建物に響き渡りバタバタと足音が聞こえ、その女を同士が囲んでいる。女は見た事がない小型拳銃を手に持ち戦闘態勢へと移っていた。俺も割れた窓ガラスから庭に出ると質問をした
「なんの為にここへ来た。敵襲か?」
「…鶴見中尉殿に頼まれた指令についてのご報告のためにここへ来た」
「なんだ言ってみろ」
「鶴見中尉殿御本人にしか私は報告しない」
銃を構え周囲の動きを確認しながら女は敵意を隠すこともしないままそう答えた。「女に中尉殿が頼むかよ」「あぁ、笑える冗談だ」とせせら笑う声が辺りに響き渡る。すると女ははぁと溜息をつき
「なるほど、確かにこの時代は女の社会的地位は全くと言ってない時代だったな」
と言う。この時代…?こいつは何を言っているんだと男は目を瞬かせるその後も女は言葉を続けた
「バカバカしい、男がいつまで経っても優れていると思うなよ。お前らは私たち女から産まれてきて女が歴史を支えてきたんだ。お前らの力だけでは何も出来まい」
嘲笑う女に周囲は「女の癖に…生意気なことを言いやがって」と言うと「男の時代はもうそろそろ終わるぞ?」笑顔で挑発をする。一斉に女へ襲い掛かろうとするが焦った様子もなく小型拳銃を手に目の前の男の太もも、そして近寄る相手に足の甲を、それぞれ致命的な場所ではない部位を撃って
「女がいつまで経っても男の奴隷だとおもうんじゃねえよ」
ニヤリと言ってそう笑った
パチパチパチ
「見事だ流石は未来から軍人殿でいらっしゃるな」
拍手をしながら向かい優越そうに口角を上げて女へ向かう鶴見中尉がそう伝えると女は苦々しい顔で睨み口を開く
「…鶴見中尉殿がきちんと説明をしていればこんな事にはなりませんでした」
「いや、私が説明しても彼等は納得出来ないだろう。何故なら私が選んだ屈強な者達だ。女が我々の同士だと言っても中々理解は出来まい、実力で相手を納得しないとね?」
「あんたの思い通りってわけか…」
ちっと舌打ちをし銃を収めると
「ご報告があります。尾形上等兵についてです」
敬礼をしながら中尉に伝えていた。中尉はにこりと笑って場所を移すために移動するが俺の方へ顔を向けると「月島軍曹もついてきなさい」と言う。この女が何者か分からないが面倒な事に巻き込まれるのは確実、月島基は面倒だなと思いながらも「…はっ!」と答え二人の後を追って行った
※月島軍曹に投げたもの 催涙弾
効果→皮膚や粘膜に付着した場合、不快な刺激や痛みを与え、咳・クシャミ・落涙・嘔吐などの症状を発現させ効果時間は数分から数十分とされ、時間経過による拡散や自然分解、あるいは涙や洗眼、中和剤の使用などで除去すれば一般的には傷跡、後遺症を残すことがないとされる
日本では催涙スプレーとして売ってはいるが正当な理由なく隠匿して所持していた場合には、危害を加えうる器具の隠匿所持として、軽犯罪法違反に問われる場合もあるのでご注意を
資料 ウィキペディアから
尚 陸軍科学研究所で九二式手榴弾(みどり剤)あか剤、みどり剤と呼ばれる化学物質を入れている催涙ガスグレネードと思われしきものが作られている