本丸に到着し、まずは躑躅くんを皆さんに紹介しようと集合をかけた。
早々に広間に集まった今剣や乱たちは興味津々に躑躅くんを見つめているが、何人かは品定めをするような視線を送っている。警戒されるだろうことは本丸までの道程で伝えていたため、躑躅くんは動揺することなく受け止めている。
これが研修中にどう変わるのか。躑躅くんにとっても、私たちにとっても、充実した一ヶ月になれば良いと思う。
『今日から一ヶ月、私たちの本丸で研修をする躑躅くんです。衣食住全てを共にしますので、彼が困っている時は手助けしてあげてください』
躑「躑躅です! 宜しくお願い致します!!」
今「あるじさま。躑躅におせわがかりはつけるのですか?」
ピンッと腕を上げて質問する今剣。お世話係りと聞いて、長谷部の瞳が輝いたのは気のせいではないだろう。
『日替わりで、皆さんにもお手伝いして頂こうかと思っています。日頃の当番に加えて研修当番を増やしますので、担当する時はよろしくお願いしますね』
今「わかりました!」
そして、シロと刻燿の説明も今の内にしておくことにした。この二人の存在は理解してもらわなければと思い、目配せをすると二人が立ち上がって躑躅くんの前に出てくる。
それぞれが自己紹介をすると……
躑「へっ!? クロさん双子だったんですか!? うわぁ、やっべぇ勉強不足でした! わあぁぁ本当に同じ顔だ! 双子だ! あ、よろしくお願い致しますです!!」
シ『あはは! 君、面白いね。休憩する時は一緒にお話ししようね!』
躑「はいです!」
刻「ボクは刻燿だよぉ〜。よろしくねぇ、ツツジン」
躑「ツツジン……俺の渾名ですね!?」
刻「だめぇ?」
躑「ダメじゃないです嬉しいです!!
あれ? でも刻燿って刀剣って……」
刻「ボクは皆と違ってねぇ、ボク一人しかいないんだぁ〜」
躑「へぇ〜、そういう刀剣もいるんですね。よろしくです!」
案外あっさりと頷いて握手していた。
純粋というか何というか……。
素直なのは良いことだけれど、悪い話に簡単に騙されそうでちょっと心配になった。