いつものお迎え
俺のこの手で抱き締めた感触が、熱が、忘れられなかった。いい年して少年みたいに恋をして、やっと両想いになって、このまま死んでもいいかも、なんて思っちまった。
「葵ちゃんお疲れ!仕事終わったか?」
十番隊の執務室を訪れるのは久々で、俺が来たことにより乱菊さんも日番谷隊長も驚いていた。
「残念ながらまだ終わってないです」
「修兵あんたまだ諦めてなかったの?」
どうやら乱菊さんはまだ何も知らないらしい。それに俺があまりに来ないから、もう諦めたとでも思っていたのだろう。
「葵ちゃんがやっと仲良くしてくれるって言ってくれたんすよ」
「そうなの!?葵、そーいうことは早く言いなさいよ!」
「二人ともうるさいです!まだ仕事中だって言ってるんですから、静かにしてください!」
葵ちゃんは相変わらず仕事を優先するようだ。まぁ、それでこそ、ってところもあるし気にしない。
「あとどのくらい?」
「30分くらいです」
「そか、じゃあ待ってる」
30分くらいなら執務室に居座ってもいいだろうと思い部屋に入ったら、「入らないでください」と止められた。
「仕事の邪魔です」
「じゃあ扉の外で待ってる」
「そんな捨て犬みたいなことしないでください」
じゃあどうしろって言うんだよ。俺にはまだ葵ちゃんの考えを察するほどの力はない。
「…じゃあ、いつもの店で待ってる」
「いつも頻繁に会ってるような物言いやめてくれますか!?」
「でもどこか解ったろ?」
「…はい」
「待ってるから」
これ以上邪魔すると俺らの時間が減ると思い、すぐに執務室から出た。葵ちゃんのことだから、早めに終わらせて来てくれるんだろうな。そう期待するけど、「急にどうしたのよ!いつの間に会ってたの!?」なんて乱菊さんの声が聞こえてきて、これは遅くなりそうだなぁと察した。
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