後輩の同期生
「葵のことっすか?知ってますよ」
十番隊三席の彼女のことを恋次に尋ねたら、さも当たり前であるかのように下の名前で呼んでいる仲だということが判明した。
「ていうか、逆になんで知らなかったんすか?十番隊に結構顔出してんのに…」
「こっちが聞きてぇよ…」
「まぁ、あれじゃないすか、あそこ副隊長がああだから、代わりに葵が仕事して走り回ったりとかしてたんじゃないすかね」
「…そうか」
仕事の鬼とか言われていたくらいだし、きっとそうだろう。会ったこともない俺を避けるなんてまさかそんなわけもないし。
「で、いつから名前で呼んでんだよ。どういう仲だよ」
「学院の頃っすよ。同期なんで」
「…何て呼ばれてんだ?」
「恋次くん、て。まぁ、副隊長になってからは阿散井副隊長って呼ばれることもありますけど」
「なんであんな可愛い子を俺に紹介しねぇんだよ。独り占めか?」
「…会ったなら解ると思うんすけど、あいつくそ真面目っすよ?檜佐木先輩が下心持ったからってどうこうできる奴じゃねぇし、告白を真顔で切り捨てるような奴っすよ」
「なんでそんなこと知ってんだよ」
「…体験談っす」
この恋次が告白できたという事実に耳を疑うが、俺が可愛いと言っても顔色を変えないところを思い出すと、真顔で切り捨てるのも解らんでもない。
「学院のときモテて結構男に言い寄られて、まぁ最近もっすけど、それでもやっぱ全部断ってるって」
「ガード固いな」
「だから、檜佐木先輩も無理じゃないすかね」
「まだ自己紹介しかしてねーしわかんねぇだろ」
「人の顔見るたびにうわ!!って言うような人のこと好きになりますかね?」
「誰に聞いたんだよ」
「葵っすよ」
振られたくせに友達関係が続いていて今も会っているというのが腹立たしい。お願いだからそこに俺を混ぜてほしい。
「でも俺の居ないとこで俺の話してくれてんだよな…これ、脈アリじゃね?」
「ポジティブっすね」
- 3 -
←前・次→