さようなら
どうにかなるなんて、思ったことが間違いだった。無駄に十番隊に足を運んでさぼったせいで業務が滞り、さらには次の瀞霊廷通信の原稿が届いていて、いつもよりやるべき仕事が増えていた。定時と言ったくせに、定時に終われないのは俺の方だったのか。
お願いだから定時にあがらせてくれと頼み込んでみたのだが、昼間さぼってたくせにと言われてしまい、言い返す言葉もなく残業するはめになってしまった。
「くそ…」
仕方がないから連絡を入れようと思ったのだが、俺は葵ちゃんの連絡先を知らなかった。早めに聞いておけばよかったと後悔しつつ、十番隊の執務室の固定電話に電話をかけた。
『はい。こちら十番隊執務室』
電話をとったのは葵ちゃんだった。耳元で聞こえる声が愛しくて仕事が残っていることを忘れそうになる。
「あ、葵ちゃんか?檜佐木だ」
『ご用件は?』
事務的な返答に寂しさを覚えるが、へこんでいる暇はない。
「あのな、悪いんだけど…仕事、まだ終わんなくて。すげぇ遅くなりそうだから…ご飯、また今度でいいかな」
『…そうですか。また今度、があるといいですね。申し訳ないですが、今から日番谷隊長とご飯を食べに行くので、失礼します』
「えっ、おい…」
ガチャン、と一方的に電話を切られた。怒っていたのか?やってしまった。今度直接謝りに行こう。
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