最高級の絶望
結局、大和田くんは負けてしまった。生き残ることはできず、おしおきマシーンによって最期を迎えた。バイクに乗って走る道の壁に私の絵をふんだんに使ってみたりしたけど、大和田くんは私を思い出すことも無く、終わった。
「私…世界で一番大事な人を殺しちゃった」
結局大和田くんの行動を見守っていたら一睡もできなくて、大和田くんも居なくなってしまって、絶望に包まれていた。
「天野、もうコロシアイ放送見る意味無くなったろ」
「うん…もうどうでもいいや。すごい絶望的な気分だもん。早く、世界中のみんなにもこの気持ち伝えなきゃ」
まだ78期生の中には少しだけ話したことのある石丸くんもいた。でもきっと彼も悔やみ、哀しみ、苦しむのだろう。そしてきっと、死んでゆく。
「ワンピース似合ってんぞ」
「左右田くんに褒められても嬉しくないよ」
「いや喜べよ」
「やーだ」
荷物は全てまとめ終わった。今日もまた、血生臭い家から移動する。そろそろ綺麗なところに住みたい。
「なぁ天野」
「何?」
「大和田が死んだからってお前まで死ぬとか言うんじゃねぇぞ」
そんなこと、するわけがない。左右田くんには、私がそんなことをする人間に見えていたのだろうか。
「死ぬなら、俺が殺すからな」
「死なないよ。私…大好きな大和田くんのいない絶望的に腐った世界で生きて、絶望と希望を味わいたいもん」
「…よその奴に殺されんなよ」
「そうなったらまた左右田くんが助けてくれるでしょ」
「…ずるいよな、お前」
左右田くんは私から離れられない。私を、手離せない。大和田くんが死んで、誰のものでもなくなった私を、繋ぎとめるのに必死だった。ソニアちゃんの代わりなのか、私がいいのか、そんなことは聞いていないから知らない。でも、左右田くんが一人で生きていけるほど強い男であるわけもなく、私もそんな強さもなく、左右田くんの弱さに漬け込んで一緒にいるだけだ。
「天野と居るとほんとへこむ」
「私も、なんで大和田くんじゃないんだろうって、へこむ」
「そういうとこだぞ」
しょうがないだろう。私はまだ、大和田くんのことが好きで、忘れられそうにない。
「ごめんね」
でも一緒に居るだけでお互いに絶望感を味わえる人ってそうそう居ないと思うんだよね。むしろ喜んでほしいくらいだよ。
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