私のもの


「おはようございま〜す」
「あ、おはようございます」

私はなるべく爽やかな笑顔で香月に挨拶した。もちろんアイツに不満をぶつけるためだ。
昨夜アイツが十一番隊の綾瀬川五席と二人で、手を繋ぎながら歩いていたのを見かけた。夜で暗かったからと言って、私があの人を見間違うはずがない。阿散井に会いに行く度に見かけて狙っていた綾瀬川五席を。
あんな女が、二人で、手を繋いで、部屋まで送ってもらって、何様のつもりなんだ。綾瀬川五席には仲睦まじい女はいないと思っていたのに。

「香月さん、今日の夜暇じゃないですかぁ?お仕事終わったら一緒に晩御飯食べません?」
「あー……すみません、今日は先約がありまして。その、城宮さんとも行きたいですけど、先に約束した方を優先しないと、申し訳ないですから…」
「えぇーっ!ショックだなぁ、でも先約がいるなら仕方がないですよね……」

香月は困った顔をしていたが、私がへこんだ顔を見せてみれば安心したような様子を見せた。
あぁ気にくわない、私の誘いを断るなんて。

「ちなみに、誰となんですかぁ?前の隊の人ですかぁ?」
「いえ…、十一番隊の綾瀬川五席です」

その名前を聞いた途端、危うく笑顔の仮面を壊しかけた。
不自然に固まってしまった。
私の綾瀬川五席と晩御飯?
二人で?は?何こいつ?なめてんの?は?

「あ〜私その人知ってますよ!すごく綺麗でかっこいい人ですよねぇ!」
「え?まぁ、そうですね」
「もしかして……つ、付き合ってるんですか?」
「いえいえ!そんなことないです!滅相も無いです!」

香月は照れたように少し頬を赤らめて首を振る。
なんだその反応、脈ありなのか?は?

「あのぉ、だったら私も晩御飯に御一緒させてもらえませんかぁ?私も綾瀬川五席と仲良くしたいです!」
「あー…っと、ごめんなさい。その、言いにくいんですが、今日は相談があるってことだったので、人を連れて行くと恐らく綾瀬川五席の迷惑になってしまうかもしれないです……。綾瀬川五席に申し訳ないので、今回はごめんなさい」
「そっかぁ……残念です」

完全に二人きりだということが解って更に腹が立つ。相談を持ちかけられるような仲だと解って膓が煮えくり返る。
こいつが最近藍染隊長に気に入られてるってだけでもムカついてたのに、今度は綾瀬川五席だって?
私を怒らせるのも大概にしろ。

「また今度、お願いします」
「うぅ〜、また誘いますからねっ!予定確認したらすぐ誘いますから、私が誰よりも早く香月さんのこと誘っちゃいますからねっ!」
「待ってますね」

このままだとイラついて吐きそうだったから、早めに会話を切り上げて立ち去ることにした。
もう完璧にムカついたから、こいつを許すことはないだろう。
一泡吹かせて苦しめてやる。

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